日本人は、ヒートシールされた製品は毎日約10個/人 (約10億個/日) を利用しており、ヒートシールはプラスチック材を利用した重大な基幹包装技術である。
ヒートシールの歴史は半世紀以上にもなるが、未だに完成された技術がなく、ヒートシールの品質と信頼性は確立していない。ヒートシール技法は「温度」「時間」「圧力」が制御要素とされているが、これらの要素の合理的な定義が成されていない。主たる失敗は、基幹制御要素の加熱温度を加熱体の調節温度設定値に定義 (ASTM F2029) して、本当に必要な溶着面温度 (接着面温度) 応答の計測技術の開発をサボり、誤魔化してきた。常套手段として、シーラントがドロドロになる溶融温度 ™ の加熱を“標準化”し、接着強さの収斂する凝集接着を“正当化”してきた。 包装機械の温度調節はデジタル化され一見、精度が確保されているように見えているが、実際の接着面温度がいくらになっているかどうかを全く保証していない。
演者はヒートシール技法の不具合の徹底的な実証解析をしている。 この取り組みの証左として、センターに重ね段差のあるピロー袋において、剥がれシール下の「密封」と「易開封」を同時に達成する革新的な新ヒートシール技法の“一条シール”Ⓡ の開発に成功している。
本講は、世界的なヒートシール研究と技術開発のエキスパートの最新のヒートシール技法と≪0.5℃≫の溶着面温度応答の実測できる“MTMS”キットの実演と共に紹介し、各位のお困りを一気に解消します。
- ヒートシール技法に期待される機能の復習
- ヒートシール操作の復習
- 個々のヒートシール操作の復習
- 何故、JISとASTM 標準を頼っても巧くできないのか
- 包装材料のヒートシール性能の試験方法のMap
- 標準規格 (JIS Z 0238, ASTM F88 – ,F2029) の位置付け
- どうして現在のヒートシール技法は凝集接着 (モールド接着) に収斂したのか?
~≪8要素/18操作≫の実態解析~
- 温度: 加熱体の調節値,加熱体の表面温度,溶着面温度、
- 加熱時間: 機械のインターバル、平衡温度に到達 (95%応答) 、過渡温度の到達
- 圧着圧: 面圧着、局部圧着
- 加熱体表面の細工: 平滑面、ギザギザ面
- 包装材料の設定仕様: 密着性、剥がれシール帯
- ヒートシール強さの定義: 標本の作成方法
- 引張試験法:グリップ間距離、引張速さ
- ヒートシール面の漏れ検査法:圧縮法、探傷液法、真空法
- 凝集接着 (モールド接着) からの脱出
- 包装機械と包装材料の機能分担の確認
- ヒートシール強さのバラツキ要因の整頓
- 加熱温度の適格な利用
- 加熱温度と加熱時間は複合条件
- 引張試験方法の間違い
- 試験規格 (JIS, ASTM) の間違い
- 大要素の見直し:「間違い」、「誤魔化し」の確認
- 最近発見された新知見の活用
- 加熱体表面の制御で≪2℃以内≫の溶着面温度応答がシミュレーションできる
- 「加熱速さ」によるヒートシール強さ発現の変移
- 「探傷液法」の定量性検証と利用
- ピロー袋のセンター段差部シールの漏れの定量化
- 微弱剥がれシール帯 (0.5N/15㎜) でも密封が可能
- ラミネーション基材の剛性制御
- ヒートシールの機能性の解説
- 開封性理論
- 剥がれシールを利用した「易開封」の設計法
- “MTMS”キットによる「間違い」,「誤魔化し」 の実験確認