“データ改ざん”や“データ偽装”が社会問題となっている。医薬品産業においても臨床データの改ざんや電子データの取り扱いミスによる「データの完全性」 (データインテグリティ) が重要な課題となっている。
電子データの取り扱いには2つの大きな規制適合が不可欠である。一つはCSV (コンピュータバリデーション) であり、もう一つはERES (電子記録・電子署名) への対応である。最近ではこれに加えて「データインテグリティ」への対応が強く求められている。
本セミナーでは、電子データの取扱いという観点からこれらに対する基本的な取組みを新人や新任の方、あるいはもう一度基礎に戻って学習したい人に2日間かけてじっくり解説する。
電子データの取り扱いやER/ES、コンピュータバリデーションあるいはデータインテグリティの基礎および、やってはいけないこと、気を付けなければいけないことを学べる機会といたします。
- CSVの基礎知識
- CSV取り組みの背景
- なぜ規制当局はCSVを求めるか
- 各国のCSV要件 (米国FDA、EU及びPIC/S、製薬団体等)
- ユーザーとサプライヤの役割分担
- コンピュータシステムとコンピュータ化システムの違い
- GAMP5の概要とポイント
- GAMP5の基本概念
- GAMP ガイドの構成
- 「V字モデル」とライフサイクルモデル
- カテゴリ分類の正しい考え方とその例
- GAMP5の付属資料の概要とその重要ポイント
- トレーサビリティマトリックスとその記述方法
- 厚労省「コンピュータ化ガイドライン」の要件とCSV取組みの進め方
- 医薬品製造コンピュータシステム構成例と適用範囲
- ガイドライン要件の解説と取組みのポイント
- CSV管理規程体系のあり方
- 適格性評価DQ、IQ、OQ、PQ
- 厚労省「コンピュータ化ガイドライン」Q&Aの重要点とその解説
- PIC/S GMP におけるコンピュータ関連の要件
- 製薬企業とPIC/S加盟の意味
- PIC/S GMPガイドの構成
- PIC/S GMP Annex11 Computerized Systemの要件と厚労省ガイドラインとの差
- PIC/S GMP Annex15 (適格性評価とバリデーション) のポイントと“データインテグリティ (データの完全性) ”の要求
- Annex11の最重要要件であるITインフラの適格性確認とその取り組み方法
- 国内初のITインフラ適格性の取組み事例の紹介
- 回顧的バリデーションの考え方と取組み方法
- 回顧的バリデーション要件の根拠
- 回顧的バリデーション取組みの手順
- GAMP GPG 「レガシー (既存) システムバリデーション」の解説
- ERES (電子記録・電子署名) とその対応
- アメリカ (FDA) :21CFR Part11の要件
- 日本 (厚労省) :ER/ES指針の経過とその要件
- 欧州及びPIC/S におけるER/ES要件
- ERESへの対応をどう進めるか
- データの取り扱いとやってはならないこと、気を付けなければいけないこと
- データの取り扱いとデータインテグリティ
- データの取り扱いに関するFDAのワーニングレター
- MHRA (英国当局) やFDAのデータインテグリティの要件のポイント
- データインテグリティ要件に対する対応方法