miRNAの診断応用と簡便/迅速な検出・解析技術

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プログラム

第1部. miRNAにおける診断装置の開発・標準化の課題

(2016年8月19日 10:00〜11:30)

 マイクロRNAは、複数の標的遺伝子を認識する短鎖RNAであり、複雑なネットワークを形成して遺伝子機能を調節している。ヒト体液中での発現プロフィールは病態特異的に変動しており、病態特異的な治療法開発や疾患バイオマーカーとしての応用が可能である。測定法の新しい動向と、preanalytical、analyticalな標準化における課題をまとめる。

  1. マイクロRNAの分子としての特性
    1. 約20塩基のマイクロRNAの合成系、および細胞内、細胞外における分布
    2. エクソソーム内マイクロRNA
  2. 生体機能における役割
    1. 発生、細胞増殖・分化、アポトーシス、癌化の調節分子としての役割
    2. 伝達される遺伝子情報としての役割
  3. バイオマーカーとしての有用性
    1. 腫瘍性疾患など臨床例での知見を紹介する
  4. マイクロRNA測定法の新しい展開
    1. 網羅的解析法
    2. 定量的解析法
    3. 遺伝子増幅を用いない解析法
  5. 測定系の標準化における課題
    1. 安定性
    2. 抽出
    3. 内部コントロール

第2部. 劣悪な検体でも解析可能なmiRNAの利用法

(2016年8月19日 11:45〜13:15)

 血液、体液、便や組織などmRNAが適切に保存できなかった検体においても20塩基程度と短いmiRNAは比較的安定して存在しているため、 早期診断や治療予測などのバイオマーカーとして注目されている。 本講演ではより劣悪な検体 (便やFFPE組織) に含まれるmiRNAを用いた大腸がん診断や大腸がん再発予測因子解析への応用を紹介する。

  1. 背景
    1. 大腸がんの現状
    2. 大腸がん検診における便潜血検査
    3. 便中核酸を用いた新しい大腸がん診断法
  2. 大腸がん早期診断を目指した便miRNA
    1. 便中剥離大腸がん細胞と核酸診断法
    2. 便潜血検査の残液中のmiRNA
    3. 便潜血検査と便miRNA検査の複合検査
  3. 再発予測因子としての組織miRNA
    1. ステージ2大腸がんの特徴
    2. 学習コホートによる候補miRNAの選定
    3. 確証コホートによる再現性の確認

第3部. マイクロ流体チップによる簡便・迅速なマイクロRNA検出

(2016年8月19日 14:00〜15:30)

 血液等の体液中に含まれるマイクロRNAは近年バイオマーカーとしての利用が期待されている。しかしながら従来のマイクロRNA検出法は、複雑な装置と長い時間を要するため、診断に応用する際は大病院や専門検査機関でしか行えない。本講演では独自のマイクロ流体チップ技術に基づく、簡易なマイクロRNA検出法の開発状況について紹介する。

  1. ポイント・オブ・ケア診断について
  2. マイクロRNAとがん診断
  3. 従来のマイクロRNA検出法
  4. マイクロ流体チップとは
  5. 独自の自律駆動マイクロ流体チップ
  6. 独自の蛍光増幅技術
  7. マイクロ流体チップの構造と作製法
  8. マイクロ流体チップによるマイクロRNAの検出法
  9. 本法によるマイクロRNAの測定範囲
  10. 本法によるマイクロRNAの検出特異性

第4部. マイクロRNAのバイオマーカーとしての可能性と生体での機能

~循環器疾患におけるバイオマーカーとしての応用~

(2016年8月19日 15:45〜17:15)

 マイクロRNAは標的メッセンジャーRNAの翻訳に抑制的に作用する短鎖RNAである。近年、ヒト体液中に病態を反映して変動していることが明らかとなり、バイオマーカーとして期待される分子である。今後の実用化のためには測定のための標準化が必須である。核酸としての特性、バイオマーカーとしての有用性を概説し、標準化における課題をまとめる。

  1. マイクロRNAの分子としての特性
  2. 生体機能における役割
    • 動脈硬化、脂質異常症の調節分子としての役割
  3. バイオマーカーとしての有用性
    • 循環器系疾患、腫瘍性疾患をはじめとした臨床例での知見
  4. 治療薬としての可能性
    • 動脈硬化症、肝疾患などでの成果

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141-0031 東京都 品川区 西五反田2-29-5
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