第1部. エクソソーム分析・診断デバイス技術の開発
(2016年8月29日 10:00〜12:00)
エクソソームは診断マーカーとして、さらに、薬物送達システムや再生医療においても注目を集めている。エクソソームを利用する医療技術の研究開発の鍵を握るナノ粒子の評価、分離技術の開発動向、ならびにエクソソームを用いる診断デバイスの研究開発の動向を説明する。
- エクソソームについて
- 診断へのアプローチ
- 診断デバイス技術
- 診断デバイスの研究動向と開発
- 今後の展望と課題 など
- 質疑応答
第2部. 疾患診断を目指したエクソソームの研究動向
(2016年8月29日 12:45〜14:45)
免疫系や様々な疾患におけるエクソソームの生理的な役割について最新の知見を紹介する。エクソソームによる疾患診断を目指した取組みと課題を述べる。最後に、疾患診断技術の開発において重要となるエクソソームの高純度精製方法および解析方法について詳しく説明する。
- エクソソームのcell biology
- エクソソームとは
- エクソソームの産生
- エクソソームの放出
- エクソソームの取り込み
- エクソソームの生理機能
- 免疫系におけるエクソソームの役割
- 感染症におけるエクソソームの役割
- がんにおけるエクソソームの役割
- その他の疾患におけるエクソソームの役割
- 疾患診断を目指したエクソソーム研究
- がん診断マーカーの探索
- その他の疾患診断マーカーの探索
- エクソソームによる疾患診断の将来展望
- エクソソームの精製方法と解析方法
- エクソソーム精製方法の特徴
- 高純度エクソソーム精製方法
- エクソソームの解析方法
第3部. 診断・治療応用へ向けたエクソソームを活用したDDS技術とその評価
(2016年8月29日 15:00〜16:45)
生体を構成する殆ど全ての細胞から分泌される小胞「エクソソーム」は、microRNAや酵素等の生理活性分子を内包し、細胞間コミュニケーションや疾患進展に大きく寄与することが知られている。
そのエクソソームの内包物 (特にmicroRNA) を調べることで、癌をはじめとした疾患診断を行う技術開発が現在注目されている。またエクソソームは、薬学的観点からの優位性 (免疫制御、低細胞毒性、細胞機能制御分子の内包、膜タンパク質構築、無限分泌等) から次世代の薬物送達 (DDS) ナノマテリアルとしても大きく注目されている。
本講演ではエクソソームを基盤としたDDS開発に必要な、エクソソームの採取技術や細胞内移行経路、標的受容体を介した送達技術を含めた基礎的知見・技術に関して紹介する。
- エクソソームの基礎知識
- エクソソームの細胞分泌機構
- エクソソームの内包物 (microRNAや酵素等)
- エクソソームの膜タンパク質
- エクソソームを介した細胞間コミュニケーション
- 各細胞外分泌小胞の違い
- エクソソームの採取技術
- 超遠心法
- ショ糖密度勾配法
- ゲル濾過法
- ポリマー沈殿法
- 抗体ビーズ法
- 各手法における単離評価
- エクソソームの細胞内移行機序
- クラスリン依存性エンドサイトーシス
- マクロピノサイトーシス
- エクソソーム膜タンパク質の細胞内移行への寄与
- エクソソームを用いた細胞内薬物送達技術
- 受容体標的を狙ったエクソソーム膜タンパク質発現
- 機能性ペプチドのエクソソーム膜修飾
- エクソソームへの薬物内包技術
- エクソソームを利用した疾患診断・治療技術開発の例
- 薬物送達技術の開発における考慮すべき点