(2016年8月22日 11:00〜12:10)
母材である生分解性プラスチックに対して、ホタテ貝殻由来のカルシウム化合物微粉末を改質材として複合化させることで、形状崩壊・分解速度をコントロールすることができる。 併せて、農作物の育成に悪影響を及ぼす土壌酸性化の抑制にも役立つ生分解性農業用マルチフィルムの開発とその実用化を目指しており、現在までに得られている研究成果を中心に平易に解説する。
(2016年8月22日 13:00〜14:20)
現在、我が国では少子高齢化に伴う農業従事者の減少やTPP問題の渦中にある一方で、22世紀に向けた世界情勢を視野に入れて考えてみると、人口爆発によるエネルギー・環境・食糧問題など、深刻な状況に直面していくことが予想される。そのような情勢を受けて、農林水産省が農地に太陽光発電施設を設置するための運用方針を条件付きで示したことを皮切りに農地を利用した太陽光発電技術である「ソーラーシェアリング」への期待が高まっている。しかしながら、農地に設置した太陽光パネルの陰による農作物への悪影響など農作物生産者にとって課題が多いのが現状である。 本講演では、上記課題解決に向け、農作物栽培に必要な太陽光を透過する有機薄膜太陽電池を用い、農作物栽培に悪影響を与えることなく太陽光発電を行う「ソーラーマッチング」という新たなコンセプトと実証実験結果について紹介する。
(2016年8月22日 14:30〜15:50)
(2016年8月22日 16:00〜17:20)
太古から今日まで、人類に食料を提供して来た農業は人口の急増などに伴い、より高い生産効率が求められている一方で、地球温暖化による水不足・土壌劣化などにより生産効率はむしろ低下しているとも言える。一方、人類に利便性を提供して来た工業は今日、ますます発展しているように見える。この差は基礎素材として農業では太古から今日まで土と水しか使われていないのに対して、工業では太古の石器から今日の半導体に至るまで、絶えず進歩していることに、起因していると考えている。 よく言われる諺「破壊者は業界の外からやって来る」に習って、私どもは農業界で長年使われてきた土と水を工業で進歩して来た膜とハイドロゲルによって置き換えるという冒険をしたところ、植物はそれに良く反応すると同時に新しい機能も獲得したことには正直、驚いたと同時に工業界より無限の可能性が見えた。