(2016年8月30日 10:30〜12:10)
スーパーハイビジョンの実用化の目途がたってきた現在、次世代ディスプレイ技術として立体表示に再び関心が集まりつつあります。しかし、以前の立体テレビと同じ轍を踏まないためには、何が必要か良く考えることが重要です。本講座がそのための参考になればと考えています。 現在の立体表示には、メガネ式と裸眼式のいずれの場合でも、輻輳と調節の不一致による視覚疲労と、運動視差の不完全さによる臨場感低下の問題がある。これらの問題点を解決する超多眼表示について、表示原理、表示装置、応用等について説明する。
(2016年8月30日 12:55〜14:35)
映像技術の進歩によりリアリティの向上やそれに伴う映像情報の多様な利用可能性が検討されています。こうした技術が多くの人々に利用されるためには、映像酔い・VR酔いをしっかりおさえておくことが大変に重要になります。 本講座では、どのような条件で映像酔い・VR酔いが生じやすいかを見ていくことで、酔いをおさえるための考え方について解説します。また同時に発生しやすい視覚誘導性自己運動感覚 (ベクション) との関係性についてもふれるとともに、身体動揺への影響についても解説します。 本講座の受講により、映像酔い・VR酔いについて理解を深めていただき、酔いをおさえるための映像条件や提示環境条件について、これまでの知見を把握していただけます。
(2016年8月30日 14:50〜16:30)
視覚における重要な機能は3次元情報の処理であると言われます。遠くのものは小さく網膜上に結像される特性を再現する「遠近法」など、網膜像のもつ手がかりによる奥行きの表現は、古くから絵画で利用されています。我々は近くのものを見るときには眼を寄り目にします。このときの眼の角度から三角測量の原理により距離が判断されます。 前半では、これらの視覚による奥行き知覚のメカニズムについて説明します。後半では、これらのメカニズムを利用した3Dディスプレイの仕組みについて解説します。3次元の情報を2次元の液晶などの表示素子を使って再現するために、様々な工夫があります。ステレオ式の立体表示から空中表示をはじめとする最新の3Dディスプレイまで、視覚のメカニズムに立ち戻ってその原理や特長を解説します。