高偏極スピントロ二クス材料の開発とスピン自由度の制御技術

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プログラム

第1部 鉄系酸化物強磁性半導体の開発と最新の研究動向

(2016年8月23日 10:00〜11:30)

 地球上に豊富に存在する元素から成る鉄系酸化物は、環境調和型ユビキタス材料として 様々な分野で注目されています。本講演では、スピントロニクス応用に向けた 鉄系酸化物の機能制御と室温強磁性半導体の開発について紹介いたします。

  1. 酸化鉄における機能制御
  2. 強磁性Fe3O4 (黒錆び) から半導体への室温スピン注入
  3. Fe2O3 (赤錆び) のイオン価数制御による強磁性半導体の開発
  4. スピンのゆらぎを利用した脳機能模倣素子の開発
  5. その他の鉄系酸化物半導体の研究動向と今後の展望

第2部 強磁性半導体を用いた非磁性半導体へのスピン偏極したホール/電子の注入技術

(2016年8月23日 12:10〜13:40)

 半導体へのスピン注入技術はスピントロニクスの創生期から分野の中心的話題の一つである。 その背景から最近の話題までを強磁性半導体を用いた研究を中心に紹介する。

  1. 半導体中のスピン – 軌道相互作用とそれに関連した現象
  2. 磁性半導体
  3. 半導体中へのスピン偏極したキャリアの生成・検出手法
  4. 強磁性半導体から非磁性半導体への電気的スピン注入
  5. その他の半導体へのスピン注入に関連する話題

第3部 シリコンスピントロニクスデバイスの開発とスピン流の制御

(2016年8月23日 13:50〜15:20)

 大規模集積回路の主要な半導体であるシリコンは、スピントロニクスにおいても重要であり、スピン情報を維持する時間 (スピン寿命) が極めて長いという特長があります。 2004年頃にはシリコンの利点を生かしたスピントロニクスデバイスが考案されていましたが、ごく最近になってその室温動作実証に成功しました。  これまでに解明されたこと、これから解決すべきこと、新しく半導体スピントロニクスの研究をする際の注意事項等を専門外の方にも分かるように説明したいと考えております。

  1. スピン輸送チャネルとしてのシリコンの利点・欠点
  2. シリコンを用いたスピントロニクスデバイスの動作原理
  3. 半導体中のスピン流生成・輸送の先行研究
  4. 半導体中のスピン流輸送の実証方法の注意点
  5. 縮退シリコン中の室温スピン輸送
  6. 非縮退シリコン中の室温スピン輸送
  7. スピンドリフト効果によるスピン信号の大幅増強
  8. 代表的な半導体スピントロニクスデバイスであるスピンMOSFETの動作実証
  9. スピンMOSFET実用化に向けた克服課題
  10. 新しいスピン流生成方法の探索

第4部 ハーフメタル強磁性体の開発とスピントランジスタへの応用

(2016年8月23日 15:30〜17:00)

 電子の持つ電気的性質 (電荷) と磁気的性質 (電子スピン) の双方を活用するスピントロニクスデバイスは、電源を切っても情報が保持される性質 (不揮発性) を大きな特徴とし、待機時消費電力をゼロとする究極のグリーンIT機器の実現に大きく貢献できる。  スピントロニクスデバイスにおける理想的な材料系の有力な候補は、伝導電子のスピン方向が100%完全に偏極したハーフメタル強磁性体であり、中でも、Co基ホイスラー合金はキュリー温度が室温より十分高いことから、室温でも他の強磁性材料に比べ、高いスピン偏極率が期待できる。  本講座ではCo基ホイスラー合金を用いたデバイスの現状と今後の展望について述べる。

  1. ハーフメタルとしてのCo基ホイスラー合金
  2. 強磁性トンネル接合
    1. Co2YZ/MgO/Co2YZ単結晶強磁性トンネル接合のスピン依存伝導特性
    2. 構造欠陥とハーフメタル性
    3. トンネル磁気抵抗比の温度依存性
  3. スピントランジスタ
    1. 半導体スピン注入
    2. Co基ホイスラー合金を用いた高効率スピン注入
    3. スピン信号のゲート制御
  4. スピン注入を用いた核スピン制御
    1. 動的核スピン偏極
    2. 核磁気共鳴を用いた核スピン制御
  5. まとめと今後の展望

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141-0031 東京都 品川区 西五反田2-29-5
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