(2016年8月23日 10:00〜11:30)
地球上に豊富に存在する元素から成る鉄系酸化物は、環境調和型ユビキタス材料として 様々な分野で注目されています。本講演では、スピントロニクス応用に向けた 鉄系酸化物の機能制御と室温強磁性半導体の開発について紹介いたします。
(2016年8月23日 12:10〜13:40)
半導体へのスピン注入技術はスピントロニクスの創生期から分野の中心的話題の一つである。 その背景から最近の話題までを強磁性半導体を用いた研究を中心に紹介する。
(2016年8月23日 13:50〜15:20)
大規模集積回路の主要な半導体であるシリコンは、スピントロニクスにおいても重要であり、スピン情報を維持する時間 (スピン寿命) が極めて長いという特長があります。 2004年頃にはシリコンの利点を生かしたスピントロニクスデバイスが考案されていましたが、ごく最近になってその室温動作実証に成功しました。 これまでに解明されたこと、これから解決すべきこと、新しく半導体スピントロニクスの研究をする際の注意事項等を専門外の方にも分かるように説明したいと考えております。
(2016年8月23日 15:30〜17:00)
電子の持つ電気的性質 (電荷) と磁気的性質 (電子スピン) の双方を活用するスピントロニクスデバイスは、電源を切っても情報が保持される性質 (不揮発性) を大きな特徴とし、待機時消費電力をゼロとする究極のグリーンIT機器の実現に大きく貢献できる。 スピントロニクスデバイスにおける理想的な材料系の有力な候補は、伝導電子のスピン方向が100%完全に偏極したハーフメタル強磁性体であり、中でも、Co基ホイスラー合金はキュリー温度が室温より十分高いことから、室温でも他の強磁性材料に比べ、高いスピン偏極率が期待できる。 本講座ではCo基ホイスラー合金を用いたデバイスの現状と今後の展望について述べる。