第1部 鱗片状シリコン微粉を用いるリチウム二次電池高容量負極の開発と膨張対策
(2016年8月26日 10:00〜11:20)
シリコン系負極は、リチウムイオン二次電池において現行の黒鉛負極の10倍以上の 理論容量 (約4,200 mAh/g) を有する極めて魅力的かつ期待の大きい電極材料の 一つです。
本講では、そのようなシリコン負極を使いこなすためのコツについて、 鱗片状シリコン粉末を例に挙げ、サイクル寿命の向上や初期および継続的な不可逆容量の低減など、 シリコン系負極に関連する諸問題とその解決法についてわかりやすく解説します。また、最近のシリコン負極の応用例について、次世代蓄電デバイスを中心に紹介します。
- 諸言 ~シリコン負極の現状と課題~
- 鱗片状シリコンを用いた応力緩和とサイクル寿命の向上
- 有機系添加剤の効果 ~SEI皮膜の形成と充放電特性に及ぼす影響~
- カーボンコーティングの効果 ~電解液分解と不可逆容量の低減①~
- リチウムプレドーピングの利用 ~電解液分解と不可逆容量の低減②~
- シリコンの利用率制御による寿命向上と新規ハイブリッドキャパシタへの展開
- シリコン負極の次世代蓄電デバイスへの応用例
- 総括
第2部 CMCの基礎的性質とLIB電極バインダーへの応用
(2016年8月26日 11:25〜12:40)
CMCは、冷水や熱水に溶解し、無色透明の粘稠な溶液となる。その特徴は、天然糊剤と比較して品質の均一性、作り込む事のできる品質の多様性、認められた安全性、等から、一般工業から食品工業、医薬香粧工業、繊維工業、等に至るさまざまな分野で使用されている。
本講演では、CMCの基礎的な性質、およびリチウムイオン電池での使用例について紹介する。
- CMCとは
- CMCの構造
- CMCの特長と用途
- CMCの製造方法
- CMCの動向
- CMCの基礎的性質と特徴
- 検討における留意点
- リチウムイオン電池でのCMCの使用例
- CMCの役割
- CMCによる電極の作製例
第3部 ポリイミド系バインダーの 種類・物性とその選び方・使い方
(2016年8月26日 13:30〜14:50)
- リチウムイオン二次電池 (LiB) について
- リチウムイオン二次電池におけるバインダーの役割
- 負極活物質について
- 負極用バインダー樹脂の開発動向
- 活物質の剥離トラブルとバインダー
- PVDF,SBRと比較したポリイミド系バインダーの特徴
- 当社におけるポリイミド系材料への取り組み経緯
- ポリイミド系バインダーの種類・物性とその選び方・使い方
- バインダーの物性
- 耐熱性
- 密着性
- キュア温度
- サイクル特性への影響
第4部 リチウム二次電池用ケイ素系コンポジット負極の創製と電解液の最適化
(2016年8月26日 15:00〜16:20)
- ケイ素負極の課題
- 研究・開発の現状
- ケイ素の基本的性質
- ケイ素の長所を活かすためのコンポジット化の概念
- 活物質のコンポジット化と厚膜電極化技術
- メカニカルアロイング (MA) 法
- 無電解析出 (ELD) 法
- リンのプレドープ
- ガスデポジション (GD) 法による電極作製
- ケイ素系コンポジット電極の負極特性
- 遷移金属シリサイド/Siコンポジット
- 遷移金属被覆Siコンポジット
- リンのプレドープ
- ケイ素電極の特長を一層引き出す電解液 (添加剤やイオン液体の適用