本セミナーでは、タイヤ/路面情報を感知し、ドライバーに伝達する新しい運転支援技術を詳解いたします。
(2016年8月31日 12:30〜14:15)
近年、自動車安全性の観点から、タイヤにセンサを取り付けたインテリジェントタイヤが提案されています。2000年に米国内で起きたフォード・ファイアストンのリコール問題を契機に、同年、米国議会でTREAD法が成立し、全米で販売される新車へのタイヤ空気圧警報装置 (TPMS: Tire Pressure Monitoring Systems) の装着の義務付けが開始されました。この法案化を受け、日欧でも対応に向けた動きが顕著になっており、さらなる安全面の充実と TPMS (タイヤ空気圧監視装置) の廉価設定を可能にするため、タイヤのひずみ等をモニタリングするインテリジェントタイヤの必要性が高まっています。 本講義では、TREAD法の設立経緯から、直接・間接的なTPMS、先進インテリジェントタイヤ、ワイヤレスデータ通信法、取得したデータの活用法など、インテリジェントタイヤ開発上、鍵となる技術について紹介します。
(2016年8月31日 14:30〜16:15)
カンチレバー式のセンサをタイヤに組み込み、路面摩擦係数の測定を試みた結果を説明します。提案するセンサは、簡便な構造でありながら鉛直荷重と摩擦力の大きさ、摩擦力の方向が測定可能であり、タイヤへの取り付けも容易です。また、パラレルメカニズムを用いたタイヤ走行模擬装置を開発して、タイヤに高負荷と任意方向の摩擦力を与え、提案するセンサで測定を行った結果をお話しします。タイヤに生じる変形を考慮することで、高精度な測定が行えることを示します。また、タイヤにセンサを埋め込むことで、同様に摩擦係数を測定する方法を検討した結果をお話しします。 さらに、タイヤの側面ひずみと、接地面に作用する、鉛直荷重、摩擦力との関係の測定結果を示し、これらから摩擦係数の測定を行う方法を説明します。