ドライバーモニタリングシステムの動向・課題と今後の展望

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プログラム

第1部 自動車技術の進展におけるドライバーモニタリングの役割と位置付け及びその技術動向

(2016年7月25日 10:40〜12:00)

 自動車が暴走して歩行者に突っ込む事故など、ドライバーの病変が原因で惨事に結びつく事例が最近多発しています。一方、自動運転では、どのような時に自動で走行し、どのような時にドライバー自身が制御するマニュアル走行をするか、その切替手法について検討されています。両者のキーになる技術として、ドライバーモニタリングシステムが考えられます。ドライバーの状態を常に監視・管理し、運転に不適切な状況の場合は車両を制御する、自動運転に切り替えることで、事故の防止や、シームレスな制御切り替えが実現できると考えられています。  この講演では、ドライバーモニタリングの役割について解説し、現状、どのような技術や検出手法があるか、詳しく説明します。

  1. ドライバーモニタリングとは?
    1. 高まるドライバーモニタリングのニーズ
    2. 昨今の自動車暴走事故とドライバーモニタリングシステム
    3. 自動運転とドライバーモニタリングシステム
    4. ドライバーモニタリングの重要性
  2. ドライバーモニタリングの仕組み
    1. 視線・眼球運動によるドライバーモニタリング
    2. 顔表情によるドライバーモニタリング
    3. 脈拍によるドライバーモニタリング
    4. 体圧によるドライバーモニタリング
    5. 血圧によるドライバーモニタリング
    6. 発汗によるドライバーモニタリング
    7. その他の手法
  3. ドライバーモニタリングシステムの技術動向
    1. 量産システムの技術動向
    2. コンセプトモデルの技術動向 (「あるべき」姿)
  4. ドライバーモニタリングの問題点
  5. 今度ドライバーモニタリングはどうあるべきか? (まとめ)

第2部 車載用生理情報モニタリングシステム技術 ~血圧測定手法の動向と、居眠り検知技術~

(2016年7月25日 13:00〜14:20)

 意識消失事故の運転者の多くが高血圧を有しており、その直接の事故原因として心血管系の疾患が挙げられている。高血圧は動脈硬化・心血管病の主因であり、その予防、早期発見・治療は重要である。血圧管理において毎日の血圧測定とその変動の把握のために、近年種々のタイプの血圧測定法が提案されている。運転の妨げにならないカフレス血圧測定技術とその有用性を示す。  社会の24時間化に伴い、眠りに費やす時間は減少している。睡眠時間の短縮、睡眠・覚醒リズムの乱れは、眠気・疲労感の増大、注意や記憶力の低下をもたらす。その結果、交通事故や産業事故を引き起こす。睡眠障害・睡眠薬と運転技能および睡眠時無呼吸症候群と交通事故との関係について述べ、我々の開発した居眠り検知技術を紹介する。

  1. 高血圧
  2. 血圧測定技術
  3. カフレス血圧測定
  4. 運転時の血圧
  5. 睡眠時間と死亡率
  6. 睡眠不足
  7. 睡眠障害
  8. 睡眠時無呼吸症候群
  9. 睡眠障害と血圧概日リズム
  10. 睡眠不足と運転技能
  11. 睡眠不足と認知機能
  12. 睡眠薬と運転技能
  13. 睡眠薬と平衡機能・身体機能
  14. 睡眠時無呼吸症候群と交通事故
  15. 居眠り検知技術

第3部 実車搭載、ドライバーステータスモニターの開発事例と今後の展望

(2016年7月25日 14:35〜15:55)

 重大事故の最大原因はヒューマンエラーと言われており、居眠りや脇見といったドライバの不安全状態をセンシングすることの重要性が高まっています。当社では、ドライバの状態をカメラ画像により検知し、衝突安全ブレーキの先出しを支援するセンサを開発、すでに大型トラックおよび大型バスで実用化されています。またこのセンサは衝突危険性がない場面においてもドライバの異常を検知し警報するアプリケーションとしても使われております。このような機能をユーザに受け入れてもらうには、誤警報をいかに低減するかが重要なポイントになります。画像処理を用いたドライバーセンシングの開発事例は多くありますが、太陽光や個人差、メガネ着用などの影響下で安定して検知できることが強く求められます。  本講演ではその開発事例について説明いたします。さらに今後は高度運転支援車両への搭載が期待されています。乗用車向けのドライバーモニターでは、これまでの安全安心機能に加え、利便快適機能も求められることが予想されます。センサ用途を拡充することは歓迎されますが、ロバスト性の低いセンサで誤警報や誤作動を誘引しユーザの不信感を招かないようシステム評価の重要性を訴えます。

  1. ドライバーステータスモニターの必要性
    1. 交通事故の実態
    2. 各国の施策
    3. 法規動向
    4. 特許動向
    5. 市場動向
  2. ドライバ状態センシングの概説
    1. 眠気発生のメカニズム
    2. 眠気状態センシング手法
    3. 眠気状態の評価指標
  3. ドライバーステータスモニターの開発
    1. センシング手法の選定
    2. システム構成
    3. 撮像技術
    4. 画像認識アルゴリズム
    5. 画像センサを用いた眠気推定技術
    6. システム評価の方法とロバスト性評価
    7. 生体安全性
  4. 実車環境における課題と対応事例
    1. 光学フィルタによる不要波長光の除去
    2. 撮像タイミングに同期した近赤外照明のパルス発光
    3. 画像処理結果をフィードバックした撮像制御
  5. アクチュエーション事例
  6. 自動運転時代のドライバーステータスモニター
    1. 法規動向
    2. 開発動向

第4部 生体情報を用いたドライバーの状態推定・状態予測

~自動車運転時の生体情報の計測・解釈とその応用~

(2016年7月25日 16:10〜17:30)

 センサの小型化、高性能化にともない、生体情報モニタリングの応用が注目されている。これまでは主にステアリングやペダル等の車両情報の変化からドライバの状態を推定しており、その精度は十分とは言えなかったが、最近では、ドライバの生体情報を用いることで高精度に状態を推定し、さらには予測技術まで登場してきている。  本講演では、最新のドライバ状態推定・予測技術に関して紹介するとともに、生体情報の計測・解釈とその応用について現状と課題、今後の展望について解説する。

  1. “人”の視える化
    1. 悪霊と病気
    2. 生体情報と体調変化
    3. 病気の発見
    4. 医療ビジネスの誕生
  2. 生体情報と医療ビジネス
    1. 生体情報計測としての医療機器の開発
    2. 病気発見のための生体情報解析技術開発
  3. 社会課題としての交通事故
    1. 交通事故軽減技術開発
    2. ドライバモニタリング
    3. 生体情報の活用
    4. 運転中のドライバの生体信号計測
  4. 医療における生体信号解析、ドライバモニタリングにおける生体信号解析 … その違い
    1. 診断医学、e-health、IoB (InternetofBody)
    2. 天気予報と状態推定・予測
    3. ドライバ状態推定・予測最新技術の紹介

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