アミロイドーシスはアミロイドと呼ばれる細線維性蛋白が全身の諸臓器へ沈着して臓器障害をきたす疾患の総称である。本症は前駆蛋白質の化学的性状と全身性か限局性かにより分類される。限局性アミロドーシスは沈着局所に障害を来すが、患者の生命予後は良好である。消化管、特に胃・十二指腸とS 状結腸・直腸は限局性アミロイドーシスで侵され易い部位である。 全身性アミロイドーシスは心臓、腎臓、消化管、末梢神経等を障害して、生命予後が不良な疾患である。 しかし近年、本疾患では体内におけるアミロイド前駆蛋白の産生を阻止する治療により、一旦沈着したアミロイドが患者体内から退縮することが見出されて、根治療法への道が開けてきた。