第1部 結晶化現象のメカニズム、解析法と品質の作り込み
(2016年8月1日 10:00〜13:45)
結晶化を利用した晶析操作は、分離、精製、機能性粒子群製造の特徴を合わせ持つプロセスで、多くの産業に利用されている。しかし、応用範囲が広いためか基礎から応用までを網羅した成書はあまりなく、合成技術者などが晶析操作を系統的に理解することが難しくなっている。
そこで、本講座では、結晶化現象の理解、晶析操作に必須な基礎データの取得方法、そして結晶品質の作り込み戦略までを紹介しながら、結晶化を起こさせる推進力について平衡論と速度論から徹底的に整理し、結晶化に関わる操作の設計と、操作指針について演習を含めて講義する。結晶多形や結晶形態制御などにも触れ、その現象解析方法についても概説する。
- 結晶化現象を利用した晶析プロセス – 結晶が”できる”から結晶を”創る”にかえるには -
- 結晶化で遭遇する問題事例
- 合成と晶析操作との接点
- 晶析操作の目的と原理
- 結晶化現象の整理と基礎データ取得方法の理解 – 現象をどう理解しデータを上手に取得するには -
- 結晶成長のメカニズムと結晶化推進力
- 核発生速度と成長速度の解析
- X線回折や熱分析データの活用法
- 演習で理解する結晶化現象
- 結晶化現象の解析法とその制御法の理解 – 結晶品質を左右する操作因子を押さえるには -
- 結晶の品質を一定にしたい (結晶多形現象)
- 結晶の形を改善したい (結晶形態変化)
- 結晶の純度を向上させたい (不純物取り込み)
- 演習で理解する結晶粒子群品質
- 結晶品質を作り込むための戦略の理解
- 晶析操作の基本戦略
- 種結晶添加効果
- 冷却温度プログラム設計
- 非 (貧) 溶媒添加晶析での操作戦略
- 蒸発晶析やpH制御晶析での操作戦略
- オンラインセンサー利用技術
- スケールアップの留意点
- 最新トピックス紹介 – 結晶品質制御に関する最新情報 -
- まとめ
第2部 攪拌・晶析のラボ実験とスケールアップ
(2016年8月1日 14:00〜17:00)
- ファインケミカルでのプロセス
- スケールアップと影響因子
- スケールアップと化学工学の関わり
- ラボ、パイロット実験の考え方
- 撹拌操作のスケールアップ
- 撹拌槽のスケールアップで発生するトラブル
- 撹拌翼 (インペラー) の特長
- 撹拌槽のスケールアップ
- 動力数Np の重要性
- ラボ実験のポイント
- 実機撹拌槽の動力数Np測定
- 混合速度の影響
- 晶析操作のスケールアップ
- 晶析操作におけるトラブル
- 晶析操作への撹拌・混合の影響
- 撹拌槽での晶析のスケールアップ検討の進め方
- 晶析方法
- 溶解度曲線を利用した晶析操作
- 冷却晶析ポイントおよび晶析事例
- スケーリング発生防止およびその晶析事例
- 晶析スケールアップ検討事例
- 撹拌,混合操作が影響する晶析操作
- 撹拌,混合操作が影響しない晶析操作
- 溶媒和物形成事例