無線伝送におけるトラフィックは年間約2倍割合で増大しており、さらなる周波数の有効利用が求められている。Multiple Input Multiple Output (MIMO) 伝送はアンテナを送受に具備し、送受の信号処理技術により伝送速度を大幅に改善する技術として注目されている。MIMO技術は、最新のWi-FiやLTEなどで導入されているとともに、現在では第5世代移動通信システム (5G) やIEEE802。11ax/ay標準化等でも主要技術となっている。 本セミナーでは、無線LANを例にとり、MIMO技術を用いた場合の物理層 (Physical layer : PHY) とMAC (Media access control ) を融合したMIMO技術を用いた通信効率の評価方法について解説する。 基礎知識としてMIMO技術と無線LANの基礎についても解説する。その中で、MIMO技術を用いる際には、伝搬チャネル推定やそのフィードバック等を考慮したMAC層の評価が必要不可欠であることを述べる。また、PHY+MAC連携ツールを実現するための簡易評価方法についても解説する。