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2016年7月19日「海外製造所の原薬/製剤を導入する際の知っておくべき品質課題・対応と品質契約時の留意点」

 日本市場の医薬品の約18%が海外の製造所で製造されている。かつ、海外製造所の原薬や添加剤を加えると、海外の製造所の医薬品・原料の品質をどのように日本の求めるレベルに合致させるかは大きな課題である。各社がその対応に苦慮しているのではないか。  問題は大きくまとめると下記になる。

  1. 日本の厳しい外観/異物基準に適合しない
    • 虫/毛髪への感度
    • 注射剤の不溶性異物
  2. 日本のレギュレーションを理解していない、相手と契約していないため必要な書類が貰えない
    • 外国製造所認定申請
    • GMP適合性調査申請
    • 製造方法/製造場所記載の軽微変更/一変申請
    • 全ての製造所とのGQP取り決め事項
    • 連絡せずに変更を行う
    • MF制度の課題
  3. 海外当局が査察してGMP上問題があると日本の製品の回収に
    • PMDAが査察して適合製造所であっても製品回収
    • PMDAも負けじと査察で指摘して製品回収指導

これからの具体的な事例を紹介し、その対応策を紹介する。

  1. 日本の厳しい外観/異物基準に適合しない
    1. 異物による製品回収事例
      1. 異物による製品回収
      2. 当局の査察における製品回収
    2. 海外製造所の固形剤異物対策の例
      1. 海外製造所に全数異物検査機導入 (イタリア)
      2. 外観異物の削減 (米国)
      3. 原薬の異物逸脱により、返品時の品質トラブル (中国)
      4. 添加剤の毛髪異物? (米国)
      5. 海外製剤製造所の異物によるPV失敗によりGMP適合性調査不適合 (イタリア)
    3. 注射剤の異物
      1. 欧米の異物検査と日本薬局方の異物検査の違い
      2. たやすく/明らかに検出できる異物の大きさとは
      3. 官能検査の観点から検査員のバラツキと評価
      4. なぜ、海外の製造所では注射剤の異物が問題にならないか
      5. 異物検出の確率と母不良率との関係
      6. 自動異物検査機検出力と目視検出力との関係
    4. 海外製造所の注射剤異物対策の例
      1. 導入品の異物低減 (プラスチックアンプル)
      2. 開発段階の取組みⅠ (海外製造品 イタリア編)
      3. 開発段階の取組みⅡ (海外製造品 米国編)
      4. 開発段階の取組みⅢ (海外製造品 ベルギー編)
    5. 海外製造所の異物低減への方法
      1. 開発段階品の評価 (製造品と安定性試験品)
      2. 海外製造所への訪問
      3. 現状の理解
      4. 協力の取付け
  2. 日本のレギュレーションを理解していない/相手先とデータ提供の契約をしていない
    1. 改正薬事法の一変申請・軽微変更
      1. 関係する通知/事務連絡
      2. 迅速一変申請
      3. 医療用医薬品等の承認申請等に関する質疑応答集 (Q&A)
      4. 一変申請すべきところを軽微変更届による製品回収
      5. 欧米変更管理
      6. 軽微/一変ディシジョンツリー
    2. 一変申請・軽微変更届の変更管理
    3. ) 薬事対応 (一変/軽微) の判断
      1. 一変申請・軽微変更届時のデータ準備
      2. 一変判断に迷った時の対応
        • 生物学的製剤の添加剤変更/製造場所変更の品質相談事例
      3. 海外変更が伴う場合
      4. 会社買収に伴う変更と入荷 (海外の場合) の注意事項
      5. 変更実施後の評価とフォロー
      6. 海外製造所と日局試験方法の齟齬対応
    4. 一変申請・軽微変更届でのミスに伴う対応
      1. 製造販売承認書記載事項との齟齬発見時の対応
      2. MF業者の薬事対応のミスに伴う製造販売業者の対応
      3. 一変申請・軽微変更の失念/判断ミスの対応
      4. 当局に提出する顛末書記載等について
    5. 一変申請・軽微変更届の失念/判断ミスの事例
      1. 保管場所の掲載漏れ
      2. MF業者のMF変更判断ミスに伴う製造販売業者の対応
      3. 一変申請失念に伴う変更管理不備の対応
      4. 原薬製造方法 (イタリア) と製造販売承認書との不一致対応
    6. 現在の製造方法と製造販売承認書に齟齬が見つかった場合の対応
      1. 内部告発で指摘されたケース
    7. ) 齟齬がGMP適合性調査で見つかった場合
      1. 内部で発見した場合の対応
      2. どうあるべきか
  3. 海外当局が査察してGMP上問題があると日本の製品の回収に
    1. PMDAが査察して適合製造所であっても製品回収
    2. PMDAも負けじと査察で指摘して製品回収指導
  4. 海外との品質契約の締結の注意点
    1. 売買契約と品質契約のすみ分け
    2. 品質契約で注意事項
      • 製造所の監査が行える
      • 品質トラブル時に製造所に監査が行える
      • 受入れ時に適合しなかった場合の返品の可能性
      • 日本で外観選別した時の不良品の費用の負担
      • 変更時の連絡と承認
    3. 製造所での製造販売承認書記載事項からの逸脱確認
    4. 研究開発段階でのGMP関係の契約
      • 外国製造所認定
      • GMP適合性調査申請
      • 外部試験機関
      • 研究開発段階で注意すべき点
      • 海外の製造状況を把握し製造方法に反映させる (ソフトカプセル)
  5. 製造所の監査
    1. SOPと製造販売承認書との一致性確認
    2. 逸脱ログの確認
    3. 変更管理ログの確認
    4. 原薬製造での注意事項
    5. 製剤製造での注意事項
  6. 海外製造所との良好な関係の維持
    1. 日本市場で必要な品質レベルの紹介
    2. 相手先責任者の理解
    3. 現場の製造者とのコミュニケーション
    4. 信頼関係を高める

2016年7月20日「品質リスクの観点をふまえた海外を含めたサプライヤー管理/Audit実施と原材料の受け入れ検査・サンプリング」

 原薬や資材の品質確保があって初めて医薬品の品質を確保できる。また製造委託が増えており、それもグローバルで増加している。品質は製造の現場で造り込まれている。製造所の品質リスクの確認は品質問題を未然に防ぐための重要な手段である。ところが、このGMP監査がGMPシステムの監査に留まり、品質リスクの観点からの監査になっていない場合が多い。監査していたのに品質問題が生じた。PMDAのGMP適合性調査で適合した製造所を他国のGMP監査で問題が指摘され、その製造所で製造した製品の回収が日本で起きている。  今回は原料/資材メーカー/製造委託先の、特に問題が起きやすい海外製造所の問題点を含め、品質管理/品質保証30年の経験から、品質リスクに的を絞った監査のポイントと原料/資材メーカー/製造委託先の品質指導を実際の多くの事例を紹介しながら説明する。

  1. サプライヤー管理の要求事項と重要性
    1. PIC/S-GMPのサプライヤー管理
    2. GQPの原薬製造所管理
    3. GQPの製造委託先管理
    4. 原料/資材メーカーの品質トラブルによる製品回収/承認取得遅延例
      • 原料に毛髪混入
      • 原薬のMFに齟齬
      • 資材メーカーでの異種フリップキャップ混入による製品回収 など
  2. 海外製造所の問題点
    1. 異物/外観の問題
      • 異物による製品回収
      • 注射剤の異物の海外とのギャップ
    2. レギュレーション (製造販売承認書) との齟齬
    3. 変更管理の難しさ
  3. PMDAの最近の動向
    1. 韓国原薬メーカーのGMP不備に伴う、製品回収と改善命令
    2. 日本の製造所のGMP不備に伴う製品回収と指摘内容
    3. 他社の新製品のGMP適合性調査不備の自社への影響
  4. PIC/S-GMPの全梱の同一性確認の対応
    1. PIC/S-GMPの求めていること
    2. 対応方法
  5. 原材料の受け入れ検査
    1. 異物/外観の受け入れ検査例
    2. JISZ9015の抜き取り検査とOC曲線の理解
    3. 受け入れ試験の限界
  6. 具体的な品質トラブル事例から学ぶ
    1. バラ包装のキャップを開けたら虫があった (製品苦情)
    2. ドリンク剤の使用期限と製造番号の捺印が逆になっている (製品苦情)
    3. 注射剤の粉末充填品をろ過したらフィルターに多くの異物 (大学病院薬剤部からの苦情)
    4. 原薬の中に,ガラス異物が何個か見つかった (逸脱)
    5. 注射剤のバイアル瓶の個装箱への包装時に他社製品のフリップキャップが見つかった (逸脱)
    6. 注射剤のバイアル瓶の不溶性異物試験で繊維が幾つか見つかった (OOS)
    7. 注射剤の溶解液の経年品でフレークスが見つかった (安定性試験)
    8. 品質再評価の試験方法が,1/12個アウトにでている (新規試験方法設定)
    9. 他社製品の自社への販売移管時の品質評価 (導入時の品質評価)
    10. ドリンク剤 (食品) の栄養成分表示ミスが見つかった (問い合わせ)
    11. 逸脱により原薬がなくなり,次ロットが製造できない (変更管理時の在庫の手当)
    12. 中国査察時に製造販売承認書に記載されていない原薬製造所で異物除去 (製造販売承認書からの逸脱)
    13. 製造販売承認書からの逸脱 (一変事項の個所だが品質には影響しない)
    14. 注射剤委託製造所で不溶性異物試験が適合しない (欠品のリスク)
    15. 仕入れ品の製造業の更新時に品目漏れがあり,製造所のある県の監視指導が製品回収を示唆している (仕入れ品先の品質保証)
    16. 処方成分でないものを製造工程で使用していることが判明 (レギュレーション厳格化への対応)
    17. ある製品のOOSが何度も発生している (当局査察時のリスクと収去時のリスク)
    18. 研開から移管された注射剤の新製品の不溶性異物の不良率が高い (研開からの移管時の品質保証)
    19. 注射剤の海外製造所が買収され,注射剤棟とそれ以外に分離される (海外買収時の対応)
    20. 新規申請中に製造所がFDA483Formを受け,自主操業停止決断/承認後1年後に欠品 (新規申請中の安定供給について)
  7. GMP監査の全体像
    • GMP監査の流れ
    • 相手先との関係
    • 社内購買部門との関係
  8. GMP監査の事前準備
    • 取り決め事項で監査できることを盛り込む
    • 依頼レター
    • 日程調整
    • その他の連絡
  9. GMP監査当日
    • 挨拶で伝えること
    • 相手先との良好な関係構築
    • 必要文書の依頼
    • Plant tour
    • Closing
  10. 実際のGMP監査項目 (リスクマネジメントの観点も含め)
    1. 文書管理
      • 文書配布 (現場の文書との版No.確認)
      • 現場でのコピー防止
      • SOPの定期的な見直し
    2. 衛生管理
      • 手指の怪我の確認方法/頻度/記録
    3. 保管倉庫管理
      • サンプリング室の管理
      • 不適ロットの管理
      • 1製品 /1パレット
      • 温度マッピング
    4. 製造管理
      • 製造支援設備の監査事項 (空調,用水システムなど)
      • キャリブレーション漏れの確認
      • クロスコンタミ防止の確認
      • 洗浄バリデーションの確認
      • 計量/仕込みのダブルチェック
      • 実際の逸脱件数
      • 防虫/毛髪対策
      • 服装の確認
      • 製造ラインにあるサインの無い製造指示書
      • 刻印 (臼と杵) の管理
    5. 試験検査室管理
      • 試験室のOOSの運用
      • 換算仕込み原料の確認
      • 試験室の標準品管理 (トレーサビリティ)
      • 試験者の認定SOP
    6. 包装・表示
      • 表示資材の計数管理
      • ラインでの全数保証システム
      • 表示物の校了確認
      • テストサンプルの管理
  11. PMDA/県の査察
    1. GMP適合性調査
    2. 製造販売業更新 (GQP) 査察
    3. 準備と当日の体制
    4. 指摘事項と対応

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん
140-0011 東京都 品川区 東大井5丁目18-1
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