EFMによる3D解析が2軸押出機内の樹脂流動解明を可能にしつつある現状は好ましいが、しかし分散現象、品質解析はおぼつかない。分散品質を得るために、実際の品質関連挙動をもう少し詳しく解明する必要がある。最近の研究を紹介する。従来困難であったHMWPEの分散が可能になり、二軸押出機操作全体を1つの系としてみた場合の品質予測ができるようになった。また、分散作用における最適せん断速度の存在理由も解析できた。こうした混練分散品質に関連する最近の研究を紹介する。
- フィラーのせん断分散性に関する最近の解析傾向
- これまでの研究・開発では破砕分散性に重点を置き過ぎた
- 分配分散性をもっと見直すべき
- 分配分散の二面性
- 送り込み分配分散 … せん断破砕分散と同居する
- どういう役目か、どのようにコントロール、評価するのか
Blister Ring, Ring Segment, 絞り機構の応用、T関数の応用
Ring、絞りには、伸長流動分散効果の副次効果がある
- 伸長流動分散の均一性が今後大きな分野に発展する可能性がある
米国のVane Extruderなど分散機構の3分類
せん断流動、伸長流動の共存流動における分散性
HMWPEがHDPE中で分散した (相対粘度≧4.0でも可能)
- メルトフラクチャを送り込み分配分散に応用する
- まき散らし分配分散 … 単独で作用する
- どういう役目か、どのようにコントロール、評価するのか。
Gear Elementなど … 欧米の方式
CTM, Static Mixerなど … 日本の方式
- 橋爪の5段階分散モデル:Palmgrenの4段階モデルとの比較
- せん断破砕分散、せん断分配分散の品質評価実験
- Ulrichの2軸押出機解析モデル (2Dimension Model)
- 無次元数Λの応用
2軸押出機の大略の挙動解析ができる
- せん断破砕分散、分配分散の品質評価実験のやりかた
- 同じ材料を用いるなら両分散水準が予測できる技術ができる
スクリュー設計を変更しても解析できる
異なる材料 (粘度比対応) に対しては相対分散評価が出る
- 凝集破壊に関する最近の解析 (被分散相に注目する)
- 凝集粒子の破壊力は、凝集次数と凝集粒子径の関数である
CBでの解析結果
- バウンドラバー、バウンドポリマーとナノ分散との相関
- 材料の機械強度が向上する現象解明
- コンパウンドの場合
限界粒子間距離が関与する。粒子径は直接関与しない
両粒子上のSticky Hard 層の高分子が絡まる。接触ではない。
- ポリマーアロイの場合
各粒子が相互に流路干渉することによる。
- Shear Thinning流体とShera Thickening流体
- 分散後の材料粘度ではなくて、分散中の材料粘度が問題
<分散後の材料粘度はShear Thinning流体>
- コロイドだけではなく、コンパウンドでもこの流動形態変化現象がある。
コロイドでは、Newtonian→Shear Thinning→Newtonianが多い
CBコンパウンドでは、CBコロイド溶液と同じで、
Shear thinning→Shear thickening→Shear Thickeningとなる
- 流動形態の変化は何に起因するか
無機粒子表面における、高分子と電気的な結合状態の変化とする理論
- 分散に最適なせん断分散速度が存在する。 (全Fillerには適用できない)
CB分散では顕著な特性がある
エラストマー、ゴムの混練でも発生する
- Fillerの分散品質が予測できる時代に入った。
- 従来の相似側は役に立たない。分散現象では相似実験ができない
- 分散品質予測技術
- 品質方程式の作成方法
- 分散品質予測精度の確認
精度を上げるため、ノイズ実験を消去する方法