本講座では、海外当局のデータインテグリティ査察指摘事例を交えながら、データインテグリティ対応を具体的に説明する。説明の流れは以下の通りであり、ERESやCSVに馴染みのなかった方にも十分理解していただけるよう、ERESとCSVの基礎から説明する。
海外当局のGMP査察において、データインテグリティ不適合指摘が増加している (2013年〜2015年 PIC/S:16件 FDA:33件) 。MHRA (英国医薬品庁) が2015年1月~10月にかけ実施した製剤査察において指摘したデータインテグリティ不適合は339件であった。その内の121件がMajor指摘であり、20件のMajor指摘は出荷停止等の規制措置となった。
このような中、MHRA (英国医薬品庁) は2015年1月に「データインテグリティの定義とガイダンス」を発出し、WHO (世界保健機関) も9月にドラフトガイダンスを発出した。さらに、2016年4月15日にFDAよりドラフトガイダンスが発出された。また、HPLCの試し打ちもFDAおよびPIC/Sの査察においてよく指摘されるが、MHRAおよびFDAは試し打ち不適合指摘への対応方法を公開している。
このような状況を鑑み、米国PDA (Parenteral Drug Association) は「データインテグリティ行動規範」を公開した。PDAは、各企業がデータインテグリティ・ポリシーを制定するなどして、データインテグリティ規範を企業内に定着させることを期待している。
- ERESとCSVの基礎
- FDAのコンピュータ指摘とデータインテグリティ指摘
- PIC/Sのコンピュータ指摘とデータインテグリティ指摘
- PIC/Sのコンピュータ要件
- MHRAのデータインテグリティガイダンス
- WHOのデータインテグリティガイダンス (ドラフト)
- FDAのデータインテグリティガイダンス (ドラフト)
- HPLC試し打ち指摘に対するMHRAガイダンス
- HPLC試し打ち指摘に対するFDAガイダンス
- データインテグリティ行動規範 (PDA)
- 質疑応答
- CSV/ERESに関し、日常の業務において困っていることや疑問などにお答えします。事前質問は大歓迎ですが、準備の都合上、可能であれば2週間前までにご提出いただけると助かります。
付録CDに収載する解説文書と資料 (全140ファイル)
450スライドを超えるテキストと付録CDに収載する豊富な資料により、後日の復習やさらなる自習が可能である。また、「ERESとCSVの基礎」は、体系だった知識の再確認という意味で中級者にとってもたいへん有益な内容となっている。
- 適正管理ガイドライン コメント挿入版 (44ページ)
- カテゴリ分類とバリデーションアプローチ (24ページ)
- スプレッドシートの管理とバリデーション (14ページ)
- FDAのコンピュータ指摘107件 (66スライド)
- FDAのデータインテグリティ指摘ウォーニングレター (18件)
- PIC/SのGMP不適合報告 (コンピュータ指摘16件)
- MHRAデータインテグリティ・ガイダンス (v1.1) 邦訳 (28ページ)
- WHOデータインテグリティ・ガイダンス (ドラフト) 要旨訳 (11ページ)
- FDAデータインテグリティ・ガイダンス (ドラフト) 要旨訳
- HPLC試し打ち査察指摘とMHRA査察官の提案
- HPLC試し打ち査察指摘に対するFDAガイダンス
- FDA Part 11対訳 (17ページ)
- FDAガイダンス Part 11 Scope and Application 対訳 (24ページ)
- Annex 11 対訳 (8ページ)
- Annex 11 に対するEMAのQ&A 対訳 (8ページ)
- PIC/S査察官向けガイダンス PI 011 – 3 抜粋対訳 (31ページ)
- 厚労省令第44号の解説・GMP編 (20ページ)
- バリデーション文書例 (ワードファイル) “ バリデーション計画書 (15ページ) “ ユーザー要求仕様書 (10ページ) “ トレーサビリティマトリクス (9ページ) “ バリデーション報告書 (10ページ) その他、改正バリデーション基準、GMP事例集 (2013年版) など関連法令を多数収載