本セミナーでは、偏光・複屈折・光回折の基礎から解説し、偏光の伝搬の応用例として液晶デバイス、光回折の応用例として回折格子デバイス、偏光と回折の機能複合の応用例として偏光回折格子デバイスの実際を詳解いたします。
液晶表示・高密度光記録・大容量光通信などの光エレクトロニクス分野の高度化のみならず、生体観察などの新規分野の進展に伴い、複屈折・偏光制御・偏光計測などの重要性が増している。光の持つ諸現象のうち、屈折、反射、回折、などはいろいろな優れた教科書などが多数あるが、「偏光」については、まとまった教科書も少なく、光学の中でももっともわかりにくい分野であると考えている方も少なくないと思われる。このような状況で、偏光の概念そのものはかなり伝統的な分野であるにもかかわらず、実際の工学においてうまく使いこなされているとは言えない状況にある。 本講義は、講師が執筆した偏光伝搬解析に関する教科書 (偏光伝搬解析の基礎と応用 (内田老鶴圃) ) に基づき、光波伝搬の基礎について解説した後、「偏光干渉」、「偏光回折」を取り上げ、複屈折媒体中の伝搬について習得する。偏光の伝搬の応用例としての液晶デバイス、光回折の応用例としての回折格子デバイス、さらに偏光と回折の機能複合の応用例としての偏光回折格子デバイスの実際を紹介する。受講後の自習が可能なように講座で使用した全図面について配布する。