ペプチド医薬品の最新研究と吸収性を改善する製剤の開発

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プログラム

第1部. ペプチド性医薬品を基盤とした中分子創薬

(2016年7月14日 10:00〜11:30)

 ペプチドは重要な生体構成分子の一つであり、様々な生理活性を有する。ペプチドを基に創薬展開することができれば、安全性が高く、微量で強力な薬効を有する医薬品の開発が期待できる。また、分子サイズ的にペプチドが属する中分子化合物は低分子・高分子化合物それぞれの長所を保持し、短所を補う可能性がある。このようなことから、今、中分子創薬が注目されている。  本講座ではペプチド性医薬品の開発動向を概説し、我々の研究も含め、中分子創薬研究のフロンティアについて紹介する。

  1. ペプチドの概説
  2. ペプチド性医薬品の特徴
    1. 素材としてのペプチド
    2. ペプチド医薬品の製剤化
    3. ペプチド医薬品のドラッグデリバリーシステム
  3. ペプチド性医薬品の現状
  4. 世界の大型医薬品売上状況
  5. 中分子化合物の特徴
  6. ペプチド性医薬品を基盤とした中分子創薬の具体的な研究状況
    1. 環状ペプチドライブラリー
    2. ペプチドミメティクの概念
    3. 一次構造上のペプチドミメティク
    4. 二次構造上のペプチドミメティク
    5. 高次構造上のペプチドミメティク
    6. 具体例: 急性骨髄性白血病 (AML) 治療薬の開発状況
    7. 具体例: 抗HIV剤の開発状況
  7. 今後の展望

第2部. 特殊ペプチドを活用した創薬研究開発

(2016年7月14日 11:45〜13:15)

 近年創薬ターゲットが枯渇している、もしくは複雑なものが多いなど創薬研究全体が曲がり角に来ていると言われているなか、特殊ペプチドを含む「中分子化合物・医薬品」が注目を集めている。特殊ペプチドは低分子医薬品や抗体医薬品などと比較して、どの部分で優れているのか?また、弊社が有している特殊ペプチド探索システムPDPSは従来のHTSを凌駕するヒット探索システムであり、これまでヒットを見出すことが困難だったターゲットにも適用可能である。  本講演では、特殊ペプチドの現状・今後及び特殊ペプチド探索システムPDPSがどのように創薬研究全体に影響を及ぼすのかについて考察する。

  1. 特殊ペプチドとは
  2. 特殊ペプチドと低分子・抗体医薬品との違い
  3. 特殊ペプチドの現状と今後
  4. 特殊ペプチド探索システムPDPSとは
  5. PDPS vs HTS
  6. PDPSの創薬研究全体に及ぼす影響
  7. 総括

第3部. ペプチド・タンパク性医薬品の経口ならびに経粘膜投与製剤の開発

(2016年7月14日 14:00〜16:00)

 ペプチド及びタンパク性医薬品は、現在、臨床上、筋肉内投与や皮下投与などの注射剤として用いられているが、注射は患者に痛みを伴い、またアレルギーやアナフィラキシーなどの重篤な副作用を発現する危険性がある。したがって、患者のQOLの向上を考慮すると、注射に代わる投与形態としてこれら医薬品の経口ならびに経粘膜投与形態の開発が期待される。しかしながら、ペプチド及びタンパク性医薬品を経口投与した場合の吸収性は、注射に比べるときわめて低いことが知られている。そのため、ペプチド・タンパク性医薬品の経口ならびに経粘膜投与後の吸収率を改善するため、現在までに種々の方法が試みられている。  本セミナーでは、これらさまざまなペプチド・タンパク性医薬品の消化管・経粘膜吸収性の改善方法について紹介する予定である。

  1. ペプチド・タンパク性医薬品の開発と産業市場
  2. ペプチド・タンパク性医薬品の投与経路、問題点
  3. ペプチド・タンパク性医薬品の消化管・経粘膜投与時の問題点
    1. 膜透過バリアー
    2. 酵素バリアー
  4. ペプチド・タンパク性医薬品の消化管・経粘膜吸収性の改善方法
    1. 吸収促進剤・タンパク分解酵素阻害剤の利用
    2. ペプチド・タンパク性医薬品の化学修飾
    3. ペプチド・タンパク性医薬品の剤形修飾
    4. ペプチド・タンパク性医薬品の経肺ならびに経皮投与
      (マイクロニードルの利用)
  5. ペプチド・タンパク性医薬品の今後の投与形態
  6. まとめ

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