第1部 金属・空気電池の固体電解質の開発とイオン伝導性の向上
(2016年7月5日 10:00〜11:30)
次世代リチウムイオン電池と目されている全固体電池・Li空気二次電池に使用されるであろう固体電解質には、ガラス系・酸化物系・硫化物系など、いくつかの候補物質が開発のしのぎを削っている。本講演では、酸化物系の候補材料の一つであるLLTOの高性能化に関して、理解が深まるとともに、それ以外の材料の知識、市場動向、原料などの供給など、に関する知識も得られる。
- はじめに
- 会社紹介
- 車載用LLTO (全固体電池) の市場
- 固体電解質の分類
- 主な全固体電池の開発メーカーの概要
- ロードマップ
- 市場規模
- 東邦チタニウムのLIB材料開発の取り組み
- LIB用チタン酸化合物開発の経緯
- LLTOの紹介
- ぺロブスカイト型リチウムイオン伝導性酸化物
- リチウムイオン伝導のメカニズム
- 製造プロセス
- リチウムイオン伝導度の評価
- 機械的特性
- LLTOを用いた金属リチウム空気二次電池
- モーター駆動による空気電池のデモンストレーション
- 資源
- Li資源
- Ti資源
- まとめ
第2部 金属・空気電池の空気極と電解質設計
(2016年7月5日 11:40〜13:10)
本講座では金属・空気電池の電解質と空気極に着目して現在の状況と これからの展望を行います。空気電池の特長をわかりやすく説明しようと思います。
- 金属・空気電池の分類と課題
- 金属・空気電池の電解液への要求事項
- Li・空気電池の現状の電解液
- Li・空気電池の電解液への添加物
- Li・空気電池の空気極と課題
- Zn・空気電池の電解液と課題
- Zn・空気電池の空気極と課題
- 空気電池の全固体化
- 空気電池の今後の展望
第3部 金属・空気電池の材料技術と二次電池化へのアプローチ
(2016年7月5日 13:50〜15:20)
空気電池は、高エネルギー電池として古くから注目され長い研究開発の歴史がある。 現在、汎用的に実用化されているのは空気・亜鉛一次電池であるが、最近、革新的高エネルギー電池開発の観点から、再度、空気電池が熱く注目されるに至っている。 ここでは、空気電池の基礎と特徴を詳説し、空気二次電池開発の課題とアプローチを解説する。
- 空気電池を理解する
- 空気電池とは-空気電池の原理と特徴 -
- 現行空気電池の重要技術
- 亜鉛・空気電池の構造・材料電池反応
- 亜鉛・空気電池の電池反応・放電性能
- リチウム・空気電池
- 非水系リチウム・空気電池
- 水系リチウム・空気電池
- 非水・水系リチウム・空気電池
- リチウム・空気電池の作製・評価と二次電池への展開
- 試作電池の作製
- 電池性能評価
- 充放電反応の解析
- 二次電池化への課題
第4部 金属・空気電池の貴金属を使用しない空気極触媒の開発
(2016年7月5日 15:30〜17:00)
酸素還元触媒は、金属空気電池や燃料電池の空気極に使用される。金属空気電池は、電池内部に含まれない空気 (酸素) を正極活物質とすることから、リチウムイオン電池の数倍から数10倍を超す理論エネルギー密度を持つため、電気自動車や携帯端末への応用が期待されている。しかし、白金を使った触媒は、高い活性を示すが、資源が限られコストが高い。
本講座では、レアメタルフリーな触媒について、導電性が高く、かつ高い活性をもつことから近年、特に注目されている窒素ドープカーボン触媒と、組成制御と組織制御によるアプローチを中心に研究が長年にわたって進められているペロブスカイト型酸化物触媒を中心に紹介する。
- 緒言
- 金属・空気電池の貴金属を使用しない酸素還元空気極触媒
- 金属・空気電池用酸素還元空気極触媒概要
- 金属・空気電池用酸素還元空気極触媒の酸素還元活性
- 貴金属を使用しない酸素還元空気極触媒の事例
- ペロブスカイト型酸化物担持カーボン触媒
- ペロブスカイト型酸化物の組成制御
- 調製方法によるペロブスカイト型酸化物の粒子径制御
- 窒素ドープカーボン触媒
- 窒素ドープカーボンのC-N結合状態評価
- 窒素ドープカーボンの酸素還元活性
- ペロブスカイト型酸化物担持窒素ドープカーボン触媒
- まとめと今後の展望