本セミナーでは、フレキシブル性と高い熱電変換性能を両立する新しい材料設計手法と、印刷技術によるフレキシブルな熱電モジュールの作製技術とその特性を詳解いたします。
(2016年7月8日 10:30〜12:10)
近年有機熱電材料は150℃以下の未利用熱の活用の手段として注目されてきています。本分野にかかわる研究者人口も内外で増えており、民間企業の注目度も非常に高く、排熱利用、エネルギーハーベスティングに関連する研究会も活発に行われています。 今回の講座では熱電変換の基礎から、現在の有機系材料の熱電変換研究の全般を総括しつつ、今後の課題・展望についても提案を行っていきます。
(2016年7月8日 13:00〜14:40)
近年注目を集めている環境発電素子にターゲットを絞り、その中でも特に今後の技術の発展が期待されるフレキシブルで印刷可能な発電素子について紹介する。特にフレキシブルな熱電変換素子に主眼を置き、ゼーベック効果型熱電変換素子及びスピンゼーベック型熱電変換素子への有機無機ハイブリッド材料の適用とその効果について説明する。 有機材料、無機材料単独では実現できなかった複合化による機能拡張を目指した取り組みについても紹介を行う。
(2016年7月8日 14:50〜16:30)
今日の日本のエネルギー事情、特に電力の供給は逼迫の度合いを増しています。このエネルギー問題の解決の一助として注目を集めているのが、『無駄に捨てている熱を直接電力に変換する』熱電発電です。熱電発電は、固体素子のみを用いて、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する技術であり、 (i) 微小な温度差でも発電できる、 (ii) 可動部がないため騒音がない、 (iii) 固体素子のみを使うのでメンテナンスフリー、といった特長を持っています。そのため、密度の低い自然エネルギーや排熱を用いて発電を行う「エネルギーハーベスティング」の中でも重要な位置を占めると期待されています。 本講演では、私たちの行っている熱電変換技術の研究の中から二つのトピックスを選んでお話します。一つは希少元素であるビスマスやテルルを含まない新しい硫化物熱電材料に関する研究・開発について、もう一つは熱電インクを用いた全く新しいタイプの熱電モジュール作製プロセスに関する研究です。次世代の熱電材料開発やモジュール作製プロセスに興味をお持ちの方のご来聴を期待しています。