本セミナーでは、軟磁性材料の高透磁率・低鉄損・高飽和磁束密度化技術を基礎から解説いたします。
また、モータの小型化を実現するための3次元成形技術と応用事例を詳解いたします。
(2016年6月24日 10:00〜11:30)
従来の軟磁性材料では、組成と熱処理によりほぼ磁気特性が決まり、特性には限界があった。しかし、アモルファス合金の結晶化の際に、ナノスケールまで結晶粒を均一・微細化した結晶粒組織に制御されたナノ結晶軟磁性材料は、従来のFe系材料では困難であった優れた軟磁気特性を実現させることが可能となっている。 今回の講演では、Fe基アモルファス合金のナノ結晶化による組織制御の重要性と開発されたナノ結晶軟磁性材料の特徴などについて紹介する。
(2016年6月24日 11:40〜13:10)
電磁機器は、小型・軽量化、省エネ化、省資源化などが要求されている。その要求に対応する方法として、3次元形状化がある。特に、モータにおいて、電磁鋼板では困難な3次元形状には軟磁性複合材料による圧粉磁心の適用が最適である。 モータ用電磁鋼板と同等の磁気特性を実現するためには軟磁性複合粉末の高密度圧縮成形工法が重要となる。従来の圧縮成形工法では、圧粉磁心の成形密度向上には限界があり、その阻害要因を明確にした。 本高密度圧縮成形工法では、それらの阻害要因を低減する工法であり、成形密度の向上を図ることができ、種々の形状サンプルを試作した。形状サンプルを持参する。 電磁機器に圧粉磁心の適用を検討するにあたり、開発の一助となれば幸いである。
(2016年6月24日 13:50〜15:20)
粉末冶金技術とは金属粉をプレス成型し圧紛体を作りそれを焼結 (焼き固める) することにより機械部品を作るもので、鉄 – 銅 – 黒鉛系が代表的な材料で自動車部品に多く利用され、1台あたり1%弱の重量の部品が利用されている。重量的にはたいしたことはないが機能性に優れた高付加価値部品も多い。圧粉磁心は純鉄系の粉末を絶縁処理し、成形し焼結しないでそのまま磁心に使うもので昨今積層鋼板を超える性能も一部見られる。 今回の講演は粉末冶金技術の全体像から圧粉磁心まで解説する。あわせて圧粉磁心を利用したモーターの開発例も説明する。
(2016年6月24日 15:30〜17:00)
モータの小型高出力化、高効率化の進展に伴い、与えられた多岐の要求に対し新しいモータ鉄心用電磁鋼板が開発されて来ました。電磁鋼板の磁気特性は、使用される条件によって、影響する素材因子が異なるため、駆動状態に合わせた電磁鋼板の選定が必要です。また、モータは使用状態に影響されて鉄損、透磁率が変化するため、コア構造、加工・固定方法、制御方法などを考慮した数値解析でモータ性能を見積もることも重要です。 本講座では、新しく開発されたモータ鉄心用電磁鋼板シリーズの紹介に加え、電磁鋼板の最適選定指針、電磁鋼板使用状態による磁気特性変化について説明します。