第1部 耐熱性ポリイミドの透明性発現への機能化設計の開発動向
(2016年6月28日 10:00〜11:30)
耐熱性透明高分子材料が新しいデバイスのキーマテリアルとし注目されている。耐熱性に優れた高分子材料にポリイミドが知られているが、市販のKapton ® フィルムの例からもわかるように、通常は黄色~褐色に着色している。ポリイミドの着色の構造要因を明らかにして、耐熱性と透明性を両立できるポリイミドの機能化設計の考え方をその開発事例から説明する。
- 耐熱性ポリイミドの基礎
- 構造と熱的特性の関係
- 多様な重合方法と工業的な製法
- 加工性
- 耐熱性ポリイミドの着色要因と透明化への考え方
- 透明性を発現した耐熱性ポリイミドの機能化設計の具体的な製品、研究開発事例
- 芳香族系
- 脂環族系
- 耐熱透明ポリイミドの機能化動向
- 低CTE化、屈折率制御など
第2部 ガラス代替に向けたアクリル樹脂への機能性付与と応用技術
(2016年6月28日 11:40〜13:10)
現在ガラス代替材料としては耐衝撃性に優れたポリカーボネートが最も多く検討されている。しかしながら、耐候性、耐スクラッチ性、耐薬品性等が充分でないためにハードコートが必要不可欠であるなど課題も多い。本講演では、耐候性に優れたPMMAをナノレベルで改質した新規なアクリル材料であるアルケマ社の ShieldUp ® (シールドアップ) の特性およびルノーで実際に採用されたケースを含めた用途展開事例を紹介する。
- 会社紹介
- アルケマ社の概要
- アクリル部門の概要
- PMMAについて
- PMMAの特長
- PMMAの用途
- Altuglas ShieldUp ® (アルトグラス シールドアップ) の紹介
- 特長
- 製造方法
- 機械的特性
- その他の特性 (耐UV性など)
- Altuglas ShieldUp ® のグレージング用途展開
- ヨーロッパの規格
- 耐衝撃性
- 耐摩耗性
- 耐傷付き性
- 遮蔽性 (音、日光、熱)
- まとめ
第3部 添加剤による透明プラスチック樹脂への機能性付与
(2016年6月28日 13:50〜15:20)
ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートなど、透明プラスチックの一次構造を操作することなく、市販の材料に副資材を添加するだけで高性能化、新機能の付与を行うために必要となる知識・技術について講演する予定です。実用化を意識した研究開発につなげることを期待しております。
- はじめに
- 添加剤によるポリカーボネートの高性能化
- 動力学特性の基礎 ~動的粘弾性をわかりやすく解説する~
- 非晶性高分子の動力学特性 ~基本の再確認~
- 可塑化と逆可塑化 ~低分子化合物の混合による動力学特性の変化を把握する~
- 逆可塑化による弾性率の増加
- 熱膨張の抑制
- 逆可塑化のデメリット
- Tgを下げない逆可塑化
- 表面硬度向上へのアプローチ
- 透明導電性フィルムへのアプローチ
- 添加剤による光学異方性制御と機能性付与
- 分子配向と複屈折 ~複屈折の基礎~
- 位相差フィルム ~その役割と開発課題~
- 分子間における配向相関を利用した機能材料設計 ~薄肉化・波長分散性の制御~
熱可塑性セルロースエステル、ポリカーボネートなどを対象として
- 光弾性係数の制御 ~ガラス状態の複屈折制御~
- 添加剤によるアクリル樹脂の機能性付与
- 温度変化に伴う透明性の変化とその制御
- 耐熱性向上へのアプローチ
第4部 フレキシブル液晶デバイスに向けたフィルム基板の開発
(2016年6月28日 15:30〜17:00)
フレキシブルディスプレイ技術は、現行のテレビやモバイルPCが単に薄くなり曲げられるというだけでなく、生体センサーなどの新しい用途開発にもつながる技術である。本講座では、配向膜材料、及び配向処理プロセスを必要としないフレキシブル液晶ディスプレイ用フィルム基板の開発を中心に述べるとともに、ディスプレイ以外への応用展開についても言及する。
- はじめに
- フレキシブルデバイスとフレキシブルディスプレイ
- フレキシブルディスプレイの市場動向と技術動向
- フレキシブル液晶ディスプレイの構成
- 基板 (プラスチック、金属フォイル)
- TFT
- 液晶層 (ネマチック、コレステリック、高分子分散、疑似等方性液晶)
- フレキシブル液晶ディスプレイ用基板に求められる要件
- フレキシブル液晶ディスプレイの課題
- 配向膜不要なフィルム基板
- 液晶の配向メカニズム
- 各種フィルム基板の液晶配向性
- 動作確認と今後の展開 (ディスプレイ用途、非ディスプレイ用途)
- まとめ