物質の表面の状態を解析することは、その物質の特性を知る上で非常に重要です。物質表面を解析するためには、電子、X線、イオンなどを励起源として試料に照射することで試料から発生する信号を元に分析しなければなりません。この分析手法の中には、X線光電子分光法 (XPS) のようにスペクトルのみで表面を解析するものや、走査電子顕微鏡法 (SEM/EDS) やオージェ電子分光法 (AES) などの表面の形態観察を行える顕微鏡としての機能を利用するものもあります。 またトンネル顕微鏡 (STM) や原子間力顕微鏡 (AFM) などの走査プローブ顕微鏡法 (SPM) では、表面形態やその他の物性を原子レベルで評価することができます。ただし各種の表面分析装置は、得意なことと不得意なことがあります。「どのような試料で何を知りたいか」を明確にして、最適な手法あるいは複数の手法をチャレンジすることが大切です。