第1部:車両制御システムの構築技術の現状・課題と技術動向
(2016年6月28日 10:30〜12:10)
車両制御システムの高度化において、自動運転は通過点に過ぎず、真の価値はその先にある。しかし、自動運転の実用化の成否によっては、車両制御システムの研究開発の方向性が大きく変わる可能性がある。
本講座では、10年以上車両制御システムの研究開発に携わってきたアカデミア研究者が、自身の知見を軸とした独立的な立場で、車両制御システムの構築技術について事例に基づき解説しながら、当該分野を取り巻く現状と課題、今後の技術的方向性について論じる。
- 車両制御システムの変遷
- 車両制御システムとは何か
- 車両制御システムの歴史
- 車両制御システムの社会的ニーズ
- 車両制御システムの現状
- 車両制御システムの構成と要素技術
- 人間の運転と車両制御システムの関係性
- 自動運転と車両制御システムの関係性
- 各要素の具体的な事例
- 車両制御システムの研究開発
- 隊列走行
- サイバーフィジカルコンピューティング
- 映像による技術紹介
- 車両制御システムが抱える課題
- ヒューマンマシンインタラクションの問題
- 車両制御の段階的高度化が抱えるジレンマ
- 完全自動運転の壁
- 車両制御から見た自動車の技術的方向性
- 自動運転実用化の成否で変わる車両制御の方向性
- 車両制御から見た未来の自動車
- 車両制御から見た未来の交通
- 最新の取り組み
- 現在の研究開発紹介
第2部:自動車の外界センシングにおけるカメラを用いた計測・認識技術の基礎と応用
(2016年6月28日 13:00〜14:40)
自動車の予防安全技術の普及、さらに自動運転技術の実用化へ向けて、カメラを用いた画像センシング技術の高度化が進んでいる。
本講演では、単眼カメラ、ステレオカメラを用いて3次元計測や物体の検知・識別を行う技術について述べ、さらに車載環境における外界センシングへの応用事例について紹介する。
- ステレオカメラ、単眼カメラの基礎
- ステレオカメラによる3次元計測
- 単眼カメラによる静止物の距離計測
- 単眼カメラによる移動物の距離計測
- 物体検出、識別処理
- 自動車への適用事例の紹介
- 予防安全システムにおける外界センシング
- カメラとレーダの比較
- ステレオカメラ
- 全周囲カメラ
- リアカメラ
第3部:自動運転実用化への取り組み、知能化と今後の展望
(2016年6月28日 14:50〜16:30)
自動運転実用化のためには、正確に周囲の状況を読み取り安全に的確な判断を行う「知能化」が必要になる。
本セミナーでは、特に一般道における自動運転実現の課題である「信号認識技術」を事例に基づいて解説する。また、自らが置かれた様々な状況に応じて的確な判断を行う「行動判断知能」や「自動運転の今後の展望」について、実験映像などを使って解説する。
- 「自動運転」の目的 ~何のための自動運転か?~
- 自動車をとりまく課題
- 日産自動車の技術的アプローチ
- 自動運転が解決を目指す交通社会の課題
- 自動化レベルの分類
- 「自動運転」の開発 ~何を自動化するのか?~
- 運転の3要素と自動運転開発
- 各要素の具体的な事例
- 「信号認識」の課題 ~なぜ信号認識が難しいのか?~
- 信号認識の技術的課題 6項目
- 認識が難しい具体的シーン例
- 「信号認識」のための技術 ~どうやって信号を認識するのか?~
- 信号機の状態判定手順
- 具体的シーンの認識事例
- 映像による解決技術紹介
- 「自動運転」の実現 ~どんなシーンに対応できるか?~
- 高速道路・市街地における自動運転シーン
- 自動運転システム例とセンサー検知範囲
- プロトタイプと知能化事例
- 「自動運転」の実用化 ~どのような実験を行っているか?~
- 公道での実証車両
- 実証実験の様子 (日本・北米)
- 今後の展望 ~どのような近未来が待っているか?~
- 自動運転の実用化計画
- コンセプトカー紹介