GMPを学ぶには実際の多くの事例からのノウハウを知ること、エラーを起こさないためにはどうすればよいかを知ることが基本になる。過去の失敗を学べばエラーの7割は防ぐことができるとも言われている。医薬品会社で品質保証/品質管理30年の経験から、役立ちそうなトピックをまとめた。
物造りは人創りと言われている。演者のホームページのタイトルは”人が創る品質“である。人が能力あるないよりも大切なことは、人が良い製品を患者様や医療関係者に提供したい気持ちがあり、そのために熱意をもって取り組んでいるかである。京セラの創業者であり、JALを再生した稲盛和夫氏によれば、結果=考え方×熱意×能力 であり、考え方が一番大切で熱意が二番目、能力は考え方と熱意があれば自然と伴っていくとのことである。
現場力を持つ人になるための、また育てるためのノウハウを紹介する。
- ヒューマンエラーはどうして起きるか・エラーの構成を知りエラーを管理する
- 知識不足
- ルール違反
- 未知との遭遇
- 人を大切に
- エラーの具体例紹介
- 医薬品業界以外の重大なエラーから学ぶ
- 医薬品業界のエラーから学ぶ
- 資材のクロスコンタミ
- 原料の異物 (設計ミス)
- 製造所でのミス
- エラーと違反の違い
- SOPを守る意味を知る
- 違反に厳しく、ヒューマンエラーには優しく
- SOP/製造指図記録とその目的
- SOPと製造指図記録書
- MPR/BPR
- 定められた方法でミスなく作業できる (手順)
- 製造に必要な項目のトレーサビリティが可能である確認を盛り込む (記録)
- SOP/製造指図書作成の注意点&事例紹介
- 重要な項目はダブルチェック
- ダブルチェックする項目を明確にしサインをすることにより責任を明確にする
- 記録は必ずダブルチェックする
- 記録はその都度記入する
- 計量などの重要な項目はプリントアウトさせる。かつ記録のすぐ近くに貼付欄を設ける
- 重要な項目はレ点ではなく記入させる
- 表示物の計数管理は引き算をしない
- ラベルなどは廃棄するものを台紙に貼付して後日問題があった時にトレースできるようにする
- 現場の作業者に計算させるようなSOPにしない
- 現場の計測器の単位とSOPの単位は一致させる
- 現場の作業指示書/作業カードも文書管理を行う
- 作業カード等に写真など視覚情報を掲載する 等
- SOP/製造指図記録書の改定の重要性
- SOP/製造指図記録書は生き物であり常に改善を繰り返す
- 改定時は作業者に無理を強いない
- 作業者の声を反映させる
- SOP作成を通して学ぶ
- ピグマリオン効果
- 作業者/試験者の認定制度と教育訓練の評価
- 作業者の認定
- 試験者の認定
- 責任者の認定
- 市場出荷者の認定
- 教育訓練の計画
- 教育訓練の評価
- トラブル事例からGMPを学ぶ
- 生データ – メモの廃棄 -
- SOPを遵守するとは – SOP通りできない/しない -
- 表示のあるところに物を入れる/置く – 捺印無し苦情 -
- 製造と評価の分離とは – 意図的なサンプリング -
- ラインクリアランスの重要性 – 異種添付文書混入 -
- 医薬品造りの知識を高める
- 製剤の特徴を知る
- 製造方法を知る
- 品質保証/GMPを知る
- 統計的な考え方を身に付ける
- ノウハウ集の作成
- ノウハウ集を作成のきっかけになった製品回収
- 軽微変更/一変申請の手引書
- 問題が起きた時/未然防止のアプローチ方法
- 3ゲン5ゲン
- Plan – Do – Check – Action
- 3H (初めて/変更/久しぶり) の時にトラブルが起きる
- Management by Wandering Around
- 演繹法と帰納法
- 先送りしない (品質の地雷を見つけたら処理する)
- 人を生かす風土創り
- 一人ひとりが品質保証
- 感性が工場を救ったケース
- CPT (コックピットトレーニング;啓発しあう職場)
- 人が創る品質