本セミナーでは、ミニマルファブによる3次元 (3D) ICの生産提案をした講師がミニマルファブ構想の生産開発と日本の半導体業界の影響について解説いたします。
近年の半導体産業は、あまりにもスケールメリットを追求した結果1工場あたり5000億円とも言われる莫大な投資を必要とするようになり、多品種少量のデバイス生産には極めて不都合な状況になっている。これは、大量生産を前提にした20世紀型の生産方式の典型であり、超大量生産品を必要としないデバイスユーザーにとっては高コストを受け入れざるを得ず、新しいデバイスの登場を妨げ、半導体産業の衰退に繋がりかねない。 この課題を解決するために、ミニマルファブ構想が産業技術総合研究所から提唱され、急ピッチで開発が行われている。 ミニマルファブはウェハサイズをデバイス1個に相当するハーフインチサイズにして、単位工場当たりの投資金額をこれまでのメガファブの1000分の1にすることによって、少量生産であっても適正なコストで供給できる生産システムの実現を目指している。半導体やMEMS等の電子デバイスの地産地消と多品種少量生産、すなわち「必要なものを、必要な時に、必要なだけ」作ることを可能にするものである。また、我々はウェハプロセスから3D実装・パッケージングまで含めたミニマル一貫ラインの開発も行っており、これにより、一層効率的な半導体生産ラインの確立を目指している。 本講演では、ミニマルファブ構想とその開発の背景、最新の開発状況、ビジネスモデル、アプリケーション、今後の対応などミニマルファブの詳細について述べる。