繊維強化高分子複合材料は原料を一旦、繊維状に加工してから再び高分子のバインダーで結合すると言う一見二度手間な工程を経て製造されます。何故このようなコスト的にも時間的にも不利な方法が工業的に重要なのでしょうか?
本セミナーは、繊維化を経ることがもたらす様々なメリットや均質等方体にはない複合材料の特徴を、なるべく式に頼らずやさしく解説する基礎・入門編です。
また、これまで高分子に馴染みのない方のために、複合材料の製造に必要な高分子の基礎知識についてのイントロダクションを設けます。
- 複合材料の成形に必要な高分子の基礎知識
- 熱硬化高分子、熱可塑性高分子
- 高分子のガラス転移、融解、結晶化、冷結晶化
- 高分子の変形様式、応力・ひずみ
- 高分子の延性・脆性と分子鎖の屈曲性
- 高分子のレオロジー特性
- 複合材料の応用事例に見る繊維強化のメリット
- 繊維化がもたらすメリット
- 均質等方体にはない複合材料の力学的性質
- 複合材料の熱的性質、電気的性質 (ナノコンポジットの事例も含む)
- 天然複合材料
- 強化繊維及び複合材料の製造
- 炭素繊維の製造方法・構造・物性
- 高強度高分子繊維
- 複合材料の種々の強化形態
- 短繊維強化
- 一方向強化
- 積層板
- 織物強化
- より糸構造
- フェルト強化
- 複合材料の製造方法
- 複合材料の特性評価
- 繊維長、繊維配向、積層構成と複合材料の力学的性質の関係
- 破壊のクライテリオン、強度と破壊靭性の違い
- 複合材料の様々な強度及び破壊靭性の測定方法
- 界面強度と複合材料の引張・圧縮強度の関係
- 界面強度の測定方法
- 強化繊維の力学的性質の測定方法、試長依存性の取り扱い
- X線散乱による強化繊維の構造解析