薄膜トランジスタ用材料は、これまでSi, 酸化物半導体材料が開発され、実用デバイスに応用されている。この応用に対して、有機半導体材料が新しい材料として、実用化に向けて、研究開発が加速されている。特に、従来の真空技術を基盤とした材料に代わって、簡便で安価な機材の上に印刷技術を用いて素子を形成するプリンテッドエレクトロニクスへの展開が期待されている。 本講演では、無機系材料を用いた従来技術との比較の上で、有機半導体材料の目指すべき方向、それに求められる材料への要請、その実現に向けての取り組みと材料開発の手法、トランジスタ特性を含む新規材料の具体例とその比較などについて紹介し、その特徴をいかした市場開拓の道筋について述べる。