(2016年6月27日 10:30〜11:30)
体腔内の手術において術後癒着の回避は重要である。その予防法には、癒着防止材 (ヒアルロン酸ナトリウムカルボキシメチルセルロース (以下セプラフィルム) 、TC – 7:酸化再生セルロース膜など) 、自己フィブリン、腹膜被覆などが広く知られている。子宮筋腫核出術のような術後に微少出血をきたしやすい術式の癒着は高率とされており、癒着予防は必須である。この場合、血液の存在で予防効果に影響を受けにくいセプラフィルムが優位であるが、腹腔鏡手術ではセプラフィルムの貼付にはコツを要し修練を要する。当院では誰でも比較的容易にセプラフィルムの貼付が可能な方法を用いているが未だ課題は残っており、新たな防止剤の開発が期待される。今回は一現場の求める声を含め、考え方やそのコツなど動画を供覧し発表する。
(2016年6月27日 12:10〜13:40)
近年、腹腔鏡下手術の普及に伴い、胃癌や大腸癌などの難易度の高い手術も広く行われるようになってきた。それに伴い術中に容易に用いることができる止血材の開発が望まれる。また平均寿命の延長に伴い腹腔鏡下手術を複数回うける患者も増加することが想定され、腹腔鏡下で用いることができる癒着防止材の需要が増加する可能性がある。今回、臨床医の視点から考える止血材、癒着防止材の形状について考えてみたい。
(2016年6月27日 14:00〜15:30)
近年、内視鏡下手術が増えており、従来の熱エネルギーを用いた止血,あるいはフィブリンスプレーによる止血は術後癒着の合併症を誘発しやすい。このことから、バイオサージェリーシステムによる合併症の少ない止血、シーリングが可能で、さらには術後臓器癒着を防止が可能な予後の良い手術が望まれている。 多糖類を化学修飾して、オンサイトでゲル化させることで良好な止血操作とシーリング効果を得られる事を確認した。その成分はセプラフィルムと同様であり、ウサギによる比較試験では優れた癒着防止成績を収めた。 このデリバリーチューブは径2.8mmのポリウレタンでできており、ほとんどの硬性内視鏡と軟性ファイバースコープに使用できる。
(2016年6月27日 15:40〜17:10)
腹腔鏡下手術において、生体材料の役割は大きく、特に、術時に体内の環境下で液体 (ゾル) から固体 (ゲル) へ相転移するin situ材料は多様な用途展開が期待されている。本講演においては、薬剤・細胞を担持可能であり、体内の湿潤環境下において組織接着性を示す生体接着性材料について紹介する。