第1部. てんかん・知的障害・発達障害に対する新しい治療薬の探索
(2016年6月23日 13:00〜14:30)
小児の難治性てんかんは、知的障害や発達障害を合併することが多い。既存の抗てんかん薬は発作を抑制することにより二次的な発達の遅れを軽減するが、根本的な治療薬にはならない。本講演では、結節性硬化症をモデルに、そのシナプスメカニズムを明らかにすることにより、中枢病態全体に対する治療薬を提案したい。
- シナプス・スパインとは?
- シナプスの発達
- シナプスの可塑性
- シナプス形態異常とてんかん・知的障害・発達障害
- 結節性硬化症のシナプス異常メカニズム
- 結節性硬化症とは
- 結節性硬化症のシナプス形成異常
- 新しい分子・細胞メカニズム
- 大田原症候群との共通病態
- 新しいメカニズムに基づいた治療薬の提案
- Rheb阻害薬とは
- Rheb阻害薬のシナプス形成異常に対する効果
- Rheb阻害薬の行動異常に対する効果
- 他のてんかんへの適応拡大の可能性
- てんかん発作によるRhebの誘導
- 全般てんかんモデルに対するRheb阻害薬の効果
- 今後の展望
第2部. てんかんの病態解明に向けたモデル動物の作製と創薬
(2016年6月23日 14:45〜16:45)
てんかんは中枢神経系の疾患の中で罹患率が高い。そのため、根治や発症機序解明に向け、遺伝子解析を取り入れた臨床研究や、種々のてんかんモデル動物を用いた病態解析が盛んに行われてきた。本講演では、新たなてんかん治療戦略を目的とした創薬標的の探索やモデル動物の作製について概説する。
- てんかんの定義と分類
- けいれん、てんかんの発症機序と責任遺伝子
- けいれん、てんかんモデル動物
- 薬剤誘発モデル
- 電気刺激誘発モデル
- 遺伝子改変モデル
- 治療薬としての可能性
- てんかん発作の重篤化の機序
- グリア細胞
- プロテアーゼと神経栄養因子