第1部. 高分子材料を活用した核酸医薬デリバリー技術
(2016年6月13日 10:00〜11:30)
核酸を医薬品として応用するためには、その体内動態および細胞内動態をコントロールする技術が必要である。本講演では、精密合成された高分子材料を用いて、疾患部位 (例えば固形がん) へと核酸をデリバリーする方法論を紹介する。
- 核酸医薬の可能性・有用性
- 核酸医薬デリバリーに必要とされる性質・機能
- 核酸医薬デリバリーの現状
- 高分子材料を用いたドラッグデリバリーシステム
- 高分子材料を用いた核酸医薬デリバリーシステム
- 核酸分子を安定封入するための高分子材料設計
- 標的指向性を得るための高分子材料設計
- 細胞内動態を制御するための高分子材料設計
- 今後の課題と展望
- 質疑応答
h4. 第2部. 核酸医薬品に応用可能な全身投与型デリバリー技術
(2016年6月13日 12:15〜13:45)
先進的創薬シーズであるsiRNAの臨床応用には、実用的なDDS技術が欠かせない。本講演では、我々の最新の研究成果に触れながら、全身投与型DDS技術の開発法とRNA干渉医薬の展望についてお話しさせていただく。
- RNA干渉医薬の魅力と可能性
- siRNAの臨床応用に向けたDDS技術
- RNA干渉医薬品の開発の現況
- 脂質ナノ粒子 (siRNAベクター) の開発
- 脂質ナノ粒子を用いたsiRNA導入の機構解析
- 導入効率に及ぼす要因の分析
- 脂質ナノ粒子の設計における注意点
- 全身投与型脂質ナノ粒子の設計
- 全身投与型脂質ナノ粒子の動態解析
- RNA干渉医薬シーズの有効性評価 (がん治療への応用)
- RNA干渉医薬の課題と展望
- 質疑応答
第3部. リポソームによる核酸送達システムの開発とその課題解決
(2016年6月13日 14:00〜15:30)
リポソームに多機能性を付与することにより、核酸の体内動態と細胞内動態を制御し、標的組織の作用部位まで運ぶ技術に大きな期待が寄せられている。本講演では、我々が開発している多機能性エンベロープ型ナノ構造体の開発を中心に、律速段階の解明とその解決法について最近の成功例を中心に紹介したい。
- 多機能性エンベロープ型ナノ構造体の設計コンセプト
- ウイルスベクター vs 非ウイルスベクター
- 細胞内動態制御法
- 細胞質へのsiRNA送達とがんワクチン
- 核への遺伝子送達
- ミトコンドリアへの低分子・核酸・遺伝子の送達
- 体内動態制御法
- passive targetingからactive targetingへ
- YSK-MENDによる肝実質細胞への送達
- GALA-MENDによる肺血管内皮細胞への送達
- PTNPによる脂肪血管内皮細胞への送達
第4部. バイオナノカプセルによる核酸等のデリバリー技術とその他の応用技術
(2016年6月13日 15:45〜17:15)
バイオナノカプセルとはウイルスの表面タンパク質を提示した中空のナノ粒子であり、ウイスルのエンベロープと同じ構造を持つ。このためバイオナノカプセルは、ウイルス由来の細胞内への遺伝子導入能を持っている。一方、バイオナノカプセルが提示する表面タンパク質は、種々の改変が可能であり、それを利用して種々の細胞へのターゲティングが可能である。こうしたDDS素材としての応用技術の他にもバイオナノカプセルは抗体センサーなどへの利用も可能である。
本講演ではDDS関係の技術を中心にバイオナノカプセルとその応用技術について講演する。
- バイオナノカプセルとは何か?
- バイオナノカプセルの基本構造
- バイオナノカプセルの製法
- バイオナノカプセルの種類
- バイオナノカプセルの機能と利用法
- バイオナノカプセルを用いたデリバリー技術
- siRNAを封入した製剤の製法とその効果
- 抗がん剤を封入した製剤の製法とその効果
- バイオナノカプセルを用いたタンパク質のデリバリー技術
- バイオナノカプセルのDDS素材としてのメリット
- バイオナノカプセルのその他の応用技術
- バイオナノカプセルの抗体センサー技術への応用
- バイオナノカプセルのその他の