近年、MITの共鳴方式・共振結合方式によるワイヤレス電力伝送技術の発表をきっかけに、電磁的な結合によってワイヤレスで電力を伝送する技術に注目が集まっています。
これまでに、電磁誘導方式のワイヤレス電力伝送技術など実用化されているものもありますが、これらの技術はさらに進化し、近い将来、電磁誘導方式を含め、共鳴方式・共振結合方式によるワイヤレス電力伝送技術によって、スマートフォンや携帯機器のみならず、情報家電、自動車、ロボット、センサネットワークなどへもワイヤレスで電力供給がなされるようになると予想され、「配線された電源からの解放」への期待が高まっています。しかしながら、共振結合・共鳴方式や電波方式のワイヤレス電力伝送の実用化には解決すべき課題が多いのが現状です。
本セミナーでは、これらの課題の解決に向け、ワイヤレス電力伝送技術の電磁界の基礎から、要素技術、インターフェース (コイル・アンテナ・整合回路など) 設計技術、さらには、国際的な利用周波数帯、標準化、法制度化などの最新動向まで含めて解説します。
- ワイヤレス電力伝送の基礎
- ワイヤレス電力伝送の概要
- 共振結合方式のワイヤレス電力伝送
- 電磁誘導方式と共振結合方式の磁界分布の比較
- ワイヤレス電力伝送方式の分類
- 電磁誘導方式
- 共振結合・共鳴方式
- 電波方式
- 電磁誘導方式のワイヤレス電力伝送
- 電磁誘導方式のワイヤレス電力伝送の原理
- 電磁誘導方式のワイヤレス電力伝送ための電気回路・電磁気学
- 有効電力、無効電力、力率
- アンペールの法則、ファラデーの電磁誘導の法則
- 等価回路、コイルの結合係数、伝送効率
- 電磁誘導方式のワイヤレス電力伝送の設計技術
- 漏れ磁束補償による力率改善
- キャパシタンスの接続方式
- 実際の等価回路、コイルのQ値、Q値の向上方法
- 共振結合・共鳴方式のワイヤレス電力伝送
- 共振結合・共鳴方式のワイヤレス電力伝送ための基礎理論
- 回路表現、マクスウェルの方程式
- エネルギーと電力、インダクタンス、キャパシタンス
- LCR共振回路、共振回路の電力
- 共振器のQ、共振器の結合係数
- 電磁界の分類、ポインティング定理
- Sパラメータと反射係数
- 伝送効率最大化、供給電力最大化
- 共振結合方式・共鳴方式のワイヤレス電力伝送のための整合技術
- 力率整合、複素共役整合
- 複素共役影像インピーダンス整合
- 共振結合方式・共鳴方式のワイヤレス電力伝送の基礎
- 磁界共振結合方式のワイヤレス電力伝送
- 電界共振結合方式のワイヤレス電力伝送
- 磁界共振結合と電界共振結合の比較
- 共振結合方式・共鳴方式のワイヤレス電力伝送の原理と設計技術
- MIT発表の共振結合方式ワイヤレス電力伝送
- ヘリカルダイポールアンテナの構造と結合
- 電界共振結合、磁界共振結合、電磁界共振結合
- 自己共振による電界結合・磁界結合、電磁界共振結合
- 電磁界共振結合の等価回路
- ヘリカルコイルによる電磁界共振結合方式のワイヤレス電力伝送
- ヘリカルコイルによるワイヤレス電力伝送の等価回路、結合係数、伝送特性、不要放射
- ワイヤレス電力伝送のインターフェース設計技術
- ワイヤレス電力伝送における設計の流れ
- 設計フロー
- コイルの設計
- シミュレーション技術の活用
- 電磁界シミュレーション
- ワイヤレス電力伝送における具体的な設計技術
- 表皮効果とその対策
- 受信電力向上方法
- 共鳴方式・共振結合方式の実現方法
- 結合方式、共振方式、給電方式
- 共鳴方式・共振結合方式の電力伝送モデル
- ヘリカルアンテナ・スパイラルアンテナによるワイヤレス電力伝送
- ヘリカルコイル・アンテナ、スパイラルコイル・アンテナの特性
- コイルの巻き方、巻き方の違いの影響
- 伝送距離の延長方法と特性改善
- アレー化による伝送距離の延長方法と課題
- 円形コイルアレーを用いた電力伝送
- 楕円形コイルを用いた電力伝送
- ワイヤレス電力伝送の標準化・法制度化動向
- 国際的な周波数帯設定の動向
- 標準規格化動向
- 法制度化動向