合成開口レーダー (SAR) は人工衛星や航空機に搭載されて、移動しながら地表の画像を取得する映像センサーです。使用する電波はマイクロ波のために、全天候性であり、悪天候時での観測や、環境監視に使用されます。 本講義では、合成開口レーダの概要、処理原理、ラジオメトリック精度、ジオメトリック精度について学びます。また、SARのその他の応用範囲である、干渉処理、ポラリメトリック処理、森林分類、災害監視などについても学びます。 SARは誕生が1950年台半ばです。その後、デジタル信号処理技術の向上とともに、今や、多くの宇宙機関が人工衛星搭載用に開発しています。人工衛星の小型化とともに、将来的には小型のSARや、それを搭載した人工衛星も登場する可能性があります。SARは、一言で言うと、”サンプリング定理を満たした線形処理”が基本になり、映像化処理が行われます。また、それが基準になって、高次処理が行われます。 SARは全天候型高分解能センサーでありますが、近年は、その域を超えて、地球環境の変化を捉えるセンサーとして使用されてきています。本講義で、それら、応用の一端も覗きたいと考えています。