「医薬品の製造装置は、製品の安全性、本質、力価、品質または純度を劣化させるような汚染を防止するため、適切に洗浄されたければならない」とcGMPに記載がある。またICH Q7では、共用設備の品目切り替え時には完全に洗浄すること、専用設備であっても望ましくない物質や微生物汚染を防ぐため、適切なインターバルで洗浄するべきことが示されている。
本講演では、医薬品製造における3極の洗浄バリデーションの概要と夫々のGMP査察指摘事項、PIC/S GMP Annex 15の改定に規定されるダーティーホールドタイム・クリーンホールドタイムのデータ取得・設定・評価方法につき、FDA (Food and Drug Administration:アメリカ食品医薬品局) や日本のバリデーション基準との差異をふまえて説明する。
- 洗浄バリデーションに関する欧米、PIC/Sと日本との基準の差
- PIC/S GMP Annex 15の改定に対応した洗浄バリデーション
- cGMPにおける洗浄バリデーション
- 改正GMP省令に示される洗浄バリデーション
- 3極GMP査察時の洗浄バリデーション指摘事項
- PMDA
- cGMP
- PIC/S (EU) GMP
- ICH Q7
- ダーティーホールドタイム・クリーンホールドタイムの設定方法と評価方法
- 極に対応した洗浄バリデーション実施のポイント
- 残留許容値の設定方法
- 手洗浄のバリデーション
- 分析法バリデーションを踏まえての回収率の評価方法
- 洗浄バリデーションで基準外だった場合の対応
- サンプリングの留意点
- スワブ法、リンス法と他の方法 (PHなど) の併用
- サンプリング法のバリデーション
- 洗浄バリデーション実施計画書、報告書の作成とポイント
- 計画書・報告書の作成
- 固形製剤設備の洗浄バリデーション
- マルチパーパス設備における高生理活性化合物製造時の精密洗浄バリデーション
- まとめ