(2016年5月31日 10:30〜12:00)
有機物で被覆された金属ナノ粒子は、300℃前後の比較的低温で優れた焼結特性を示すため、接合材料として利用可能であるとともに、接合後の材料は、通常のバルク材と同じ融点や性質を示すことから、高温用鉛はんだ代替や次世代パワーデバイス用接合材料として注目されています。講演者らは、金属錯体を固相熱分解する方法で、表面を有機物で被覆した金属ナノ粒子を合成する技術を確立し、粒子径や金属含有率を制御することを可能としています。 本講演では、有機被覆金属ナノ粒子の中で、特に銀ナノ粒子、銅ナノ粒子および銀 – 銅混合ナノ粒子の無酸素銅に対する接合特性について検討した結果をご紹介します。
(2016年5月31日 12:45〜14:15)
パワーデバイスの高温動作を可能にする高温対応ダイマウント技術の中で、特に耐熱性、放熱性に優れたAgナノ粒子の焼結接合技術について基礎から説明します。特に高温動作化で課題となる高温脆化現象については、メカニズムの解明とそれに基づいた信頼性向上技術について解説します。
(2016年5月31日 14:30〜16:00)
SiC等のワイドバンドギャップ半導体デバイスは、200℃以上の高温動作が可能となります。高温動作は、冷却器の簡素化や、短時間大電流など、システム全体のメリットがあります。
それらを実現するには、デバイスの実装技術、とりわけ接合技術が重要で、熱特性、電気特性に加え、温度変化に対する信頼性が必要です。接合技術は、Agナノ系、合金系など、さまざまな技術が研究されていますが、低コストを狙ったCuナノ系も候補の1つと思われます。そこで、Cuナノ粒子接合を中心として、パワーサイクル信頼性などについて説明します。
本講演では、新しい接合技術の信頼性評価を中心に説明します。信頼性評価の方法そのものも、検討されている状況で、これから変わっていく可能性も高いと思います。しかし、「何かができなくては、やれない」といった受身な姿勢では、技術は進化しません。ないのであれば、先に自分がやってみようといったチャレンジ精神で望まれることを希望します。
本日ご説明する内容は、そのような取り組みから得られたものです。