本セミナーでは、注目集める有機分子の化学吸着によって形成される単層膜 SAMの自己集積化による形成、分子配列構造、物性、及びSAMを積層して作製する多層膜など基礎から応用まで解説いたします。
有機分子の化学吸着によって形成される単層膜、SAM (Self-Assembled Monolayer)、さらには多層集積膜に関する研究が、近年大きく進展し、基礎・応用の両面から注目されるようになった。SAMは、いわゆる自己集積化あるいは自己組織化と呼ばれる過程を経て形成される単分子膜であり、有機分子の化学吸着過程で固体表面上に形成される分子会合体である。吸着分子同士の相互作用によって会合体構成分子が密に集合し、分子配向と配列が高度に規則的な構造が、自発的に形成されていることが特徴である。 本セミナーでは、自己集積化によるSAM形成、SAMの分子配列構造と物性、および、SAMを積層して作製する多層膜、すなわち、Self-Assembled Multilayerについて、さらには、膜厚を分子レベルで比較的簡易に制御できるこれらの分子薄膜の工学的応用について解説する。