本セミナーでは、液中に懸濁している粒子の粒子径分布評価法について基礎から解説し、濃厚系の実例、実際に測定する際のテクニックについて詳解いたします。
現在、粒子径計測法として主に使用されているのはレーザー散乱回折法や動的光散乱法で、これらは非分級方式と呼ばれる手法です。では、分級方式の測定法にはどのような手法があるでしょうか?また、その長所や短所は?本講では、実際の現場で「どのような手法を選べばよいのか」のポイントがある程度理解して頂けることを目標にお話をさせて頂きます。 一般的に、各測定手法により粒子径の物理的意味が異なり、また測定する特性 (例えば、透過光量や散乱強度など) も異なりますので、実際にサンプルを測定する際には各々の手法の特徴を良く理解して適用すべき手法を選択する必要があります。これら手法を大別すると、液中に浮遊している粒子を評価の対象とする場合と気中のそれらを対象にする場合になりますが、本講では、液中粒子計測法に限定して解説致します。 特に最近、ナノ粒子の安全性の観点から、100nm以下の粒子径領域でメジアン径だけでなく、粒子径の裾野の分布形状に関する情報が必要となってきておりますので、この粒子径域の測定に適していると言われている遠心沈降方式の粒子径分布測定法についても触れることにしました。また、希釈する際に液中で元々凝集している粒子が再分散する可能性やその逆の現象が起こる可能性 (ソルベントショックと呼ばれる) もありますので、濃厚系のまま希釈せずに測定できる粒子径分布測定法についても紹介致します。