流れ、伝熱、拡散は、それぞれを運動量の移動、エネルギーの移動、物質の移動というようにとらえ、統一的に扱うことができます。こうした考え方は移動現象論とよばれます。いまや工業製品等の開発に有力なツールとなったCAEですが、これを使いこなすには、移動現象論に加えて数値計算の基礎についても学んでおく必要があります。しかしながら、現実として、CAE利用の準備のためには、学ばなければいけない量が膨大で、時間が足りないというのが実情だと思います。そこで本講座では、こうした準備においての最小限の知識を、テキスト (平野博之 著「流れの数値計算と可視化 第3版」丸善、2011) を用いることで、最大限の効率で修得することを趣旨とします。 座学の時間と個別演習の時間を設けます。座学では理論の基礎について説明します。個別実習では、まず、サンプルプログラムを実行させる計算実習を行います。そして、得られた結果を市販のソフトウエアを用いて可視化させる実習を行います。 本講座では、テキスト (平野博之 著「流れの数値計算と可視化 第3版」丸善、2011) を配布させていただきますので、本講座終了後も、ご自身でフォローしていただけます。なお、このテキストには、具体的な数値計算プログラム例のソースコードと、市販の可視化ソフトの試用版のダウンロード権が含まれています。