本セミナーでは、イオン液体の電気化学的特性とゲル化技術、電解質への応用について詳解いたします。
(2016年5月10日 10:00〜11:00)
リチウムイオン電池の安全性確保は、さらなる広範な適用への主要課題といえる。この目的で、材料レベルでの難燃性・熱安定性の高いものが種々提案されている。とりわけイオン液体 に関しては、多く研究され難燃性電解液材料として期待が大きい。 ここではリチウムイオン電池への適用を念頭に置いた、イオン液体の熱安定性評価の概要と取り組みの例を紹介する。
(2016年5月10日 11:15〜12:45)
二次電池などへの応用上も重要なイオン液体と電極との界面は極めて特殊な振る舞いをしますが,最近開発された界面の液体側構造を解析する顕微鏡手法と,大型計算機を用いた分子動力 学計算によって,その要因がだいぶ分かってきました。本講座では, 我々が世界に先駆けて進めてきたイオン液体/電極界面の解析を中心に説明し,どこに特殊性があるのか,どう理解す れば良いのかについて平易に解説します。
(2016年5月10日 13:30〜15:00)
モータの性能は、近年の制御技術や材料の進歩によって飛躍的に向上したが、その高性能化への要求は今後も弱まることはない。無方向性電磁鋼板はモータの鉄心として最も良く使われる材料であり、その性能はモータの効率に大きな影響を与える。本講座では、無方向性電磁鋼板の軟磁気特性発現のメカニズムや、鉄損低減のための材料因子など、基礎的な事項を整理し、また、鉄心として使用した場合の磁気特性の変化、使用時に考慮すべき点などについて述べる。更に、最近の材料開発事例についても紹介する。
(2016年5月10日 15:10〜16:40)
FSI系イオン液体は、リチウムイオン電池などの高性能蓄電池を室温において可逆化できる、ほぼ唯一のイオン液体系である。このFSIイオン液体は、単に電池反応を可逆化するだけでなく、実は電池のハイパワー化を可能にすることが判ってきた。本講座では、このFSIイオン液体がなぜこのような好特性をもたらすかを解説し、予想される次世代電極材料への適用についても例示して説明する。さらには、現在適用が進みつつある、宇宙用蓄電池への適用例も示し、FSIイオン液体の実像と可能性を述べる。