第1部. 骨固定具の開発と生体適合性評価事例
(2016年4月28日 10:00〜12:00)
骨固定具は、大きな荷重下で長期間に渡って劣化することなく構造を維持する耐久性が必要である。さらに使用する部位に応じて、骨形成・骨結合、非骨癒合、軟組織接着などの生体機能が要求される。これらの性能を発揮するための力学的性質、耐食性、安全性、組織適合性などを適切に評価する方法とその問題点について解説する。
第2部. 関節内骨折治療のおける内固定具の見直しと精密加工機の応用
(2016年4月28日 12:45〜14:45)
関節内骨折では、粉砕した骨片を正確に整復し関節面を修復することが重要です。種々のデバイスが日進月歩に開発されていますが、未だ完全ではありません。依存概念にとらわれない新たな試みとして、形状の見直しや精密加工機の医療応用を行っておりますので、ご参加の企業様と新たな骨接合材の開発について模索したいと考えています。
- 関節内骨折治療の現状と問題点
- 教科書的な一般論から実際の臨床例まで、関節内骨折治療の現状を説明します。
- 問題解決策 その1
- 素材の変更:骨ネジ開発と臨床例紹介
- 当教室では手術場で自家骨からネジを作り技術を開発し臨床応用していますので、その研究成果や臨床例を紹介します。
- 問題解決策 その2
- 精密加工機の医療応用
- 臨床現場において精度向上を図ることが術後成績に一定の効果をもたらすと考え、三次元加工骨折支援システムの開発を進めていますので、現状と今後の見通しを紹介します。
- 問題解決策 その3
- ネジ形状やプレート形状の改良:未来の内固定具?
- 金属をどう加工すればより優れた固定具になるのか、私が今考えているいくつかのアイデア (妄想?) を提示します。ご意見をいただければ幸いです。
第3部. 首領域 (頚椎装具) での求めるデザインと性能
(2016年4月28日 15:00〜17:00)
我が国で使用されている頚椎の固定装具に関して、種類、目的、使用方法の現状について述べる。
また臨床の現場で必要とされるデザイン、性能について考察する。
- 頚椎装具は頚椎部を固定し、頚部の屈曲
- 伸展の制限を目的とする。
- 頚部の安静を保つことが主な目的となる。
- 頚部の外傷 (むち打ちなど) 疾患 (椎間板ヘルニア、靭帯骨化症) に使用する。
- 頚椎手術後の固定などにも使用される。
- 交通事故、スポーツ外傷などの救急処置にも使用される。
- 頚椎カラー、フィラデルフィアカラー、SOMI装具、ハローベストなどの種類がある。
- 頚部を圧迫せず、装着が簡単なものが望ましい。
- 装具装着により日常生活は制限を受ける。
- 装着に関してはコンプライアンスが課題となる。
- 装具装着により褥瘡などの問題点を生じることもある。
- コスト面でも課題がある。
- 素材、形状などに関しては改善の余地がある。
- 質疑応答