主薬が水溶液の状態で不安定な場合は凍結乾燥注射剤として製品化、発売される。最近、日本国内の各製薬企業で開発されるバイオ医薬品は凍結乾燥注射剤が多くなる傾向にある。また、FDAに承認されたバイオ製剤の剤形別割合 (2004年) を見ても、凍結乾燥製剤が半数近くを占め、溶液注や懸濁注より格段に多い。
このように日本、アメリカで凍結乾燥注射剤の製剤化が増加する中で「凍結乾燥は難しく何をしたらよいか分からない、バリデーションはどこまでと」よく聞きますが本講座では製薬企業および製薬企業以外のお方で初めて凍結乾燥注射剤の製剤化、製造をされるお方に向けて凍結乾燥の基本原理・製剤設計・凍結乾燥機概要・製造工程・バリデーションおよびスケールアップについて初歩的なことから具体例を挙げて分かりやすく解説する。 またICH Q8が求めているQbD (デザインスペース) を用いての製剤設計についても解説する。
- 製剤総則 (注射剤)
- 注射剤の定義
- 輸液剤の定義
- 埋め込み注射剤の定義
- 持続性注射剤の定義
- プレフィルドシリンジ製剤
- 注射剤の要求品質
- 無菌性
- エンドトキシンフリー (発熱性物質)
- 不溶性異物 (不溶性微粒子)
- 浸透圧 (等張化)
- 局所刺激
- pH
- 注射剤の溶媒と添加剤
- 溶媒
- 注射用水
- 添加剤
- 緩衝剤・等張化剤
- 安定剤 (抗酸化剤)
- 保存剤 (防腐剤)
- 容器・栓
- アンプル
- バイアル
- ゴム栓
- 凍結乾燥とは
- 凍結乾燥の基本原理
- 凍結乾燥プロセス
- 凍結乾燥装置機器
- 冷凍装置
- 真空排気装置
- コールドトラップ
- 媒体冷却加熱装置
- 凍結乾燥庫 (封栓シリンダー付)
- 洗浄装置
- 滅菌装置
- 製剤設計
- ICH Q8の要求事項
- アンプル凍結乾燥注射剤
- 主薬のpHと安定性
- 安定剤
- 等張化と局所刺激
- 薬液の無菌濾過・充填
- 凍結乾燥プログラムの設定
- 安定性試験のバリデーション
- バイアル凍結乾燥注射剤
- 主薬の溶解度
- 主薬の結晶性・非晶性と安定性
- 凍結温度 (氷晶点) ・乾燥条件と安定性
一次乾燥条件設定:QbDによる事例紹介
- タンパク製剤 (遺伝子組み換え) の製剤組成の紹介
- アジュバンド添加と主薬の安定化
- 凍結乾燥品の水分と安定性
- ゴム栓の水分と安定性
- 安定性試験
- スケールアップ
- バリデーションの留意点
- 凍結乾燥装置機器のIQ,OQ,PQ,
- プロセスシミュレーション
- 復圧フィルターの完全性試験
- リークフィルターの完全性試験
- 凍結乾燥庫の洗浄・滅菌
- 凍結乾燥庫のリーク試験
- 容器及び栓の完全性
- 凍結乾燥工程に係るプロセスシミュレーション
- 製造法
- 製造フロー
- 製薬用水の製造
- クリーンルームの管理
- アンプル・バイアルの洗浄滅菌
- ゴム栓の洗浄滅菌
- 薬液の限外濾過・無菌濾過
- 薬液充填・半封栓 (バイアル)
- 凍結乾燥庫への搬入・搬出
- アンプル:熔閉