(2016年5月16日 10:00〜11:30)
(2016年5月16日 11:45〜13:15)
アルツハイマーを代表とする難治性中枢神経系疾患は、アンメット・メディカル・ニーズの創薬ターゲットの1つとなっている。しかし、この領域でのバイオ医薬のヒト臨床試験における成功率は著しく低く、その原因の1つとしてバイオ医薬の脳移行性が極端に低いことがあげられ、それを解決できる革新的な技術の確立が強く求められている。 我々はバイオ医薬の脳移行性を飛躍的に促進する機能素子として、細胞膜透過ペプチド:cell – penetrating peptides (CPPs) に着目し、その有用性を実証してきた。本講演では、この基盤技術を紹介し、中枢神経系疾患に対する創薬・創剤の開発研究への応用性を展望する。
~超音波応答性バブルによるBBBオープニング~
(2016年5月16日 14:00〜15:30)
超音波とバブルによって血液脳関門 (BBB) を一時的に開口させて、抗がん剤やパーキンソン病薬を血管から脳組織に送達させる治療が海外では始まっている。だが、国内ではこのような送達に用いる適切なバブルがないのが現状である。本講座では超音波応答性バブルによる血液脳関門の開口のメカニズム、技術動向と我々が行っているバブルの開発について解説する。
(2016年5月16日 15:45〜17:15)
血液脳関門は、脳血管内皮細胞が機能の主体を成し、多発性硬化症やアルツハイマー病をはじめとした多くの神経疾患において、病態を形成する分子を発現している。核酸医薬を用いて生体内で脳血管内皮細胞の機能を制御する技術を紹介し、血液脳関門を標的とした神経疾患の分子標的療法の可能性について模索したい。