高薬理活性物質をマルチパーパス設備で扱う事例が増えている。その場合の大きな課題は、合理的な封じ込め設備の実現と科学的な根拠に基づく洗浄である。
エンジニアリングから運用開始後に至るプロジェクトの各段階におけるリスクアセスメント、健康ベース曝露限界値を用いる洗浄評価とその数値シミュレーション、今後の洗浄バリデーションへの具体的な対応について説明する。
- 高薬理活性物質を扱うプロジェクトにおけるリスク管理
- 品質を確保するための洗浄と労働安全衛生のための封じ込め
- プロジェクトの各段階におけるリスクアセスメント
- 封じ込めバリデーションと洗浄バリデーション
- エンジニアリング段階でのリスクアセスメント
- 準備段階~ハザードレベルの設定
- 基本計画・基本設計段階~DEL/CPTの設定
- 詳細設計段階
- 運用開始前でのリスクアセスメント
- 封じ込め機器~洗いにくい箇所のアセスメント
- 封じ込め機器~封じ込めしにくい箇所のアセスメント
- 封じ込め機器まわりの曝露リスクアセスメント
- 薬塵測定による現場環境のアセスメント
- 運用開始後のモニタリング
- 洗浄のモニタリング
- 現場の粉じん濃度のモニタリング
- 設備外のモニタリング
- 非常時および異常時のリスクアセスメント
- 封じ込め現場での非常時対応
- 呼吸保護具の取扱い
- 健康ベース曝露限界値を用いる洗浄バリデーション
- 準備
- 目視検査
- 持ち越し量閾値STVの意味合い
- 前製品次製品の摂取経路による影響
- 具体的な数値を用いたシミュレーション事例
- 健康ベース曝露限界値を用いる場合の許容残滓限界ARL
- 従来の基準による許容残滓限界ARL
- 目視限界VRLとの比較
- その結果と考察
- いろいろな状況への対応
- STVが極端に低くなる場合への対応
- 治験薬への対応
- 既存製品への対応
- 今後の洗浄実務に向けての課題
- 洗浄の目標設定について
- テストランの回数
- 統計的な手法によるプロセス管理
- 新しいPVに沿った洗浄バリデーションの手順
- 製品非接触部の判定基準
付録
- A1.従来の洗浄評価基準の問題点
- イーライリリー社の評価基準の詳細とその問題点
- 規制当局側の視点からの懸念
- 現場側の視点からの使い勝手
- 洗浄評価基準を巡るいろいろな意見
- A2.健康サーベイランス
- オペレータの健康サーベイランス