第1部 高分子の透明性と耐熱性の基礎と耐熱性 ポリイミドを透明化させる考え方とその開発事例
(2016年5月12日 12:45~14:30)
耐熱性透明高分子材料が新しいデバイスのキーマテリアルとして近年注目されている。本講ではトレードオフと考えられている耐熱性と透明性の基礎から、着色し易い耐熱性ポリイミドを例に挙げ、その透明化の考え方を説明し、その開発事例を紹介する。
- 透明性高分子 (光学樹脂) の基礎:光学特性と化学構造
- 光学樹脂の具体例とその用途:光学特性による棲み分け
- 耐熱性高分子の基礎:ガラス転移温度、熱分解温度と化学構造
- 透明性と耐熱性両立の化学構造による限界
- 耐熱性と透明性機能付与への期待
- 耐熱性であるが着色しやすいポリイミドの透明性発現の考え方と開発事例
- ポリイミドの着色要因と透明性発現の考え方
- ポリイミド固有の着色要因の電荷移動錯体
- 透明性発現に有利なモノマー構造
- 透明性を発現したポリイミドの具体的な製品、開発事例
- 芳香族
- semi – 芳香族 (芳香族/脂環族)
- 脂環族
- 最近の耐熱透明ポリイミドの機能化動向:低CTE化、屈折率制御など
第2部 無色透明ポリイミドの分子設計と高性能化技術
(2016年5月13日 14:45〜16:30)
- 無色透明ポリイミドの分子設計
- 芳香族ポリイミド着色の起源
- 光吸収の量子化学的解釈
- 脂環式ポリイミドの合成とフィルム作製法
- ポリイミドの分類と一般的合成法
- 多脂環構造モノマーの合成の基礎
- 脂環式酸二無水物の化学構造と反応性
- 脂環式ポリイミド合成上の問題点
- イミド化温度とフィルム成形性
- 熱イミド化および化学イミド化の長所と欠点
- 難溶性高Tg透明ポリイミド製膜法 – 化学・熱イミド化併用法 -
- 脂環式ポリイミドフィルムの特性
- 定性的溶解性
- 化学構造と光透過性相関
- 透明ポリイミドの熱劣化
- 透明ポリイミドの光劣化
- 屈折率、複屈折、および誘電率
- 脂環式ポリイミドの熱分解温度とTg
- 脂環式ポリイミド機械的性質
- 脂環式ポリイミドの寸法安定性
第3部 ~光学特性,熱特性,安定性を中心とした~ 樹脂添加剤の各種特性とその使用法
(2016年5月13日 10:30~11:45)
樹脂は軽量でその成形しやすさから様々な用途に用いられ、金属などの他素材の代 替もすすみ、その生産量は増え続けている。これら樹脂製品の用途や目的に応じ て必要な特性を付与する手段となる添加剤について、特に本セミナーの趣旨であるところの光学特性,熱特性,安定性に関する種類や特徴について紹介する。
- 添加剤とは
- 樹脂製品のかかえる問題
- 添加剤の種類
- 結晶核剤 ~物性&透明性付与~
- 剛性核剤
- 透明化剤
- 酸化防止剤 ~加工中&使用中の劣化防止~
- フェノール系酸化防止剤
- リン系酸化防止剤 (ホスファイト)
- 硫黄系酸化防止剤
- 光安定剤 ~耐候性付与~
- HALS
- UVA (紫外線吸収剤)
- その他添加剤の紹介 ~銅害防止剤、難燃剤等~
- 各種添加剤の併用
- 添加剤の選び方
- 実用配合処方の紹介
第4部 透明・耐熱樹脂改質剤 グリコールウリル、イソシアヌル酸誘導体について
(2016年5月13日 12:30〜13:30)
食品用器具・容器包装、家庭用品などに使用される安全衛生については各国で規制 が進んでいる。特にひと健康との関連が指摘されるアゾ化合物、芳香族アミンを中心に 規制の動きとこれに対し求められる企業の対応を紹介する。
- イソシアヌル酸、グリコールウリル骨格について
- イソシアヌル酸骨格の特徴
- グリコールウリル骨格の特徴
- 官能基の導入
- 樹脂架橋剤としての使用
- 透明耐熱性樹脂
- 透明樹脂の高耐熱化
- 樹脂への異種官能基の導入
- エポキシ樹脂改質剤
- 液状高耐熱エポキシ樹脂改質剤
- 低温硬化、高耐熱エポキシ硬化剤
- カチオン硬化エポキシ樹脂改質剤
- その他樹脂改質剤
- シリコーン樹脂への適用
- アクリル樹脂への適用
第5部 ポリマー/シリカ複合化:ハイブリッド技術による 樹脂の透明性と耐熱性の両立
(2016年5月13日 13:45〜15:30)
ポリマーへのシリカ複合 (ハイブリッド) 化は材料の諸特性を向上させるために極めて優れた方法で、コーティング剤などの高機能材料として実用化されている。ここでは、透明性や耐熱性を向上させたポリマー – シリカハイブリッド材料の設計、合成法、特性について解説する。
- シリカフィラーの概要
- シリカフィラーの種類と特性
- シリカフィラーの製造法
- 湿式法
- 乾式法
- ゾル-ゲル法
- シリカとの複合化による特性制御
- 界面・分散性の制御-なぜ界面の制御が必要か?
- 表面修飾・改質技術
- シリカの分散制御
- シランカップリング剤の活用
- ポリマー-シリカ複合材料
- ポリマー-シリカ複合材料の合成法
- ゾル-ゲル法
- In situ重合法
- コアシェル構造型ハイブリッド化
- 複合化の効果-シリカとの複合化でどんな効果が得られるか?
- 高耐熱化
- 耐熱性とは
- 高耐熱化の分子設計
- 高耐熱化手法
- 高透明化
- 複合材料の特性
- 透明性とは
- 高透明化の分子設計
- 高透明化手法