漫然・わき見運転を防ぐ自動車HMIの設計技術

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プログラム

第1部 運転者の視行動に基づく漫然運転の検出技術

(2016年4月26日 10:30〜12:00)

 交通死亡事故の主な原因が漫然運転であることが法令違反別での統計によって示されています。先進運転支援や自動運転は漫然運転を促し、それらが不完全なシステムである間は、漫然運転の検出技術に対するニーズが低下することはないと考えられます。漫然運転は、認知性の注意散漫に陥った状態での運転であり、運転者の内的状態に起因します。運転を妨害せずに漫然状態を検出するために、運転者を外部から観測して状態推定を行う技術が望まれます。  本講座では、近年技術の発展が著しい視覚的な注意の計測および分析に注目し、 周辺車状況変化に対する運転者の視行動分析に基づく漫然運転の検出技術について主に紹介します。

  1. 漫然運転
    1. 分類
    2. 検出尺度
  2. 集中状態と注意散漫状態における視行動分析
    1. 眼球運動・視線の計測と視覚的注意の推定
    2. 視覚環境ダイナミクス,視行動,内的状態の関係性
  3. 視行動分析に基づく漫然運転の検出
    1. 運転時の視覚特性と眼球運動
    2. 周辺車状況変化に対する視行動の共起性分析
  4. 今後の展望

第2部 生体反応、体動からみるドライバの疲労・漫然特性評価

(2016年4月26日 12:45〜14:15)

 自動車事故の原因は、疲労による認知時間、反応時間の遅れなどが主な原因であり、事故はドライバ自身あるいはドライバ管理者の責任である。道路交通法でも過労による運転は法律違反となる。自動車シートメーカは、疲労しにくいシートの開発を目指しているが、シートによる疲労 は定量的になされていない。そこで、ドライバの疲労の程度を運転中に測定し、疲労が蓄積していると判定された場合は、休息を促すようなシステムがあるとよい。  ここでは、自動車運転時における官能評価、生体反応や体動から、ドライバの疲労特性を見出し、ドライバの疲労特性を 定量的に評価する方法について説明する。また、疲労により、漫然とした状態で運転するおそれがある。その検出方法と評価について述べる。

  1. 緒論
  2. 生体反応、ドライバの疲労特性評価実験
    1. 測定項目
      1. 主観量
      2. 生理指標
      3. 姿勢
      4. ビデオ録画
    2. 実験条件
  3. 実験結果
    1. 主観評価
    2. 生理指標
    3. 体動の指標
  4. 疲労特性予測モデル
  5. 漫然運転状態の検出および評価
  6. 結論

第3部 漫然・わき見運転を防ぐ自動車HMIの検討

(2016年4月26日 14:30〜16:00)

 車を運転することは、様々なことに同時に注意を向ける必要があることから、本質的にわき見や意識のわき見を伴うという難しさがあります。全くわき見をしないことはむしろ危険であり、わき見をしないことは実はわき見をしていることだとさえいえるかもしれません。  注意を向けるべきことに注意を誘導すべくシステムが働きかけるとしても、そのシステムが外界を本当に正しく理解できていれば、「ここを見てください」ということもできますが、システムが本当に正しいとは限りません。  わき見の問題はこのように実に難しい問題を秘めています.この問題から目をそらすことなく、システムのデザインを少しでも良い方向へ持っていくための考え方や方法論を考えていきたいと思います。

  1. 自動車運転におけるわき見と漫然
  2. 漫然・わき見防止のための基本的枠組み
    1. 漫然・わき見の防止,検出,是正
  3. 漫然・わき見の防止策
    1. 運転と関係ない情報提示の場合
    2. 運転に関係のある情報提示の場合
  4. 漫然・わき見の検出
    1. 運転操作からの検出:ステアリングエントロピー等
    2. 体動を用いた低覚醒検出
  5. 漫然・わき見の是正

会場

株式会社 技術情報協会
141-0031 東京都 品川区 西五反田2-29-5
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