(2016年4月26日 10:30〜12:00)
交通死亡事故の主な原因が漫然運転であることが法令違反別での統計によって示されています。先進運転支援や自動運転は漫然運転を促し、それらが不完全なシステムである間は、漫然運転の検出技術に対するニーズが低下することはないと考えられます。漫然運転は、認知性の注意散漫に陥った状態での運転であり、運転者の内的状態に起因します。運転を妨害せずに漫然状態を検出するために、運転者を外部から観測して状態推定を行う技術が望まれます。 本講座では、近年技術の発展が著しい視覚的な注意の計測および分析に注目し、 周辺車状況変化に対する運転者の視行動分析に基づく漫然運転の検出技術について主に紹介します。
(2016年4月26日 12:45〜14:15)
自動車事故の原因は、疲労による認知時間、反応時間の遅れなどが主な原因であり、事故はドライバ自身あるいはドライバ管理者の責任である。道路交通法でも過労による運転は法律違反となる。自動車シートメーカは、疲労しにくいシートの開発を目指しているが、シートによる疲労 は定量的になされていない。そこで、ドライバの疲労の程度を運転中に測定し、疲労が蓄積していると判定された場合は、休息を促すようなシステムがあるとよい。 ここでは、自動車運転時における官能評価、生体反応や体動から、ドライバの疲労特性を見出し、ドライバの疲労特性を 定量的に評価する方法について説明する。また、疲労により、漫然とした状態で運転するおそれがある。その検出方法と評価について述べる。
(2016年4月26日 14:30〜16:00)
車を運転することは、様々なことに同時に注意を向ける必要があることから、本質的にわき見や意識のわき見を伴うという難しさがあります。全くわき見をしないことはむしろ危険であり、わき見をしないことは実はわき見をしていることだとさえいえるかもしれません。 注意を向けるべきことに注意を誘導すべくシステムが働きかけるとしても、そのシステムが外界を本当に正しく理解できていれば、「ここを見てください」ということもできますが、システムが本当に正しいとは限りません。 わき見の問題はこのように実に難しい問題を秘めています.この問題から目をそらすことなく、システムのデザインを少しでも良い方向へ持っていくための考え方や方法論を考えていきたいと思います。