(2016年4月20日 11:00〜12:30)
「旭化成グループにおける保有特許の棚卸し・評価と権利維持、放棄基準の決め方」についての講演依頼を受けたので、その点に重点を置いた講演を行う。内容としては、旭化成グループの事業概要について説明した後、知財戦略の考え方、現状を権利化に重点において述べる。その上で、旭化成グループにおける保有特許の棚卸し・評価と権利維持、放棄基準の決め方、課題などについて、概説する。
(2016年4月20日 13:15〜14:45)
保有特許の棚卸し・特許の評価は、特許出願・権利化戦略と一体のものです。 従来の特許出願・権利化では、「出願した特許の50%を審査請求し、その50%が特許登録される」というのが常識であり、従来の保有特許の棚卸しでは「自社の事業部門、研究開発部門、知的財産部門における重要性の評価により特許の価値を評価し、権利維持、放棄基準を決めるやり方が一般的でした。 近年は、発明をできるだけ特許出願せずノウハウとして秘匿するという考え方や、出願した特許全てを審査請求し全てを権利化するのがベストという考え方 (総合特許登録率100%) など、特許出願・権利化戦略も多様化しており、保有特許の棚卸しにおける権利維持、放棄基準についても多様化しています。自社の事業環境に合ったやり方を採用すべきでしょう。
(2016年4月20日 15:00〜16:30)
知財戦略は、目指すべき事業を見据えて、その実現のためにあるべき知財の姿 (知財ビジョン) を描くことから始まる。 そして特許ポートフォリオ戦略は、知財戦略の中核をなす。 知財戦略を展開していく過程で、特許ポートフォリオが形成され充実していくが、それを関係者に対して可視化して初めて、 その価値を判断し事業に活用していくことが可能となる。 特許の棚卸しは、特許を個々に見るだけでは足らず、まず特許ポートフォリオ全体を可視化し、 事業への影響力をもとに関係者でその価値を判断し、価値が低いと評価した特許をポートフォリオから除外していく作業である。