本セミナーでは、講師が開発しているナノカーボン高分子アクチュエータの研究開発を通して、高分子アクチュエータに関する最近の研究開発動向や課題、応用への可能性について紹介いたします。
近年、電子機器や医療診断機器の高性能化・高機能化が進み、よりコンパクトで携帯性に優れた機器に対するニーズが高まっています。従来、これら機器の動力源としてモーターやピエゾ素子のような金属や無機材料で構成されたアクチュエータが用いられていましたが、機器の小型化、薄型化に加え、低消費電力での使用が求められるなか、新たな動力源として軽量で加工性に優れ、筋肉のように、柔らかく、自由に動く高分子アクチュエータが注目されています。 高分子アクチュエータは、pH、光、温度、磁場、電場など様々な外部刺激に応答して変形しますが、電場に応答して変形する高分子アクチュエータは、電気活性高分子 (Electroactive polymer (EAP) ) アクチュエータと呼ばれ、変形応答の逆応答を利用すると発電も可能であることから、センサや再生可能な次世代エネルギー源としても注目されています。 本セミナーでは、我々が研究に取り組んでいるナノカーボン高分子アクチュエータの研究開発を通して、高分子アクチュエータに関する最近の研究開発動向や課題、応用への可能性について紹介します。