治験/市販後の副作用にかかわる臨床検査値の的確な理解と判断

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臨床治験では、検査データ、カルテ閲覧、および臨床医との議論から必要な情報を得、総合的に検討し、薬剤の本来の効果と有害事象発生の評価を行っている。  有害事象は肝胆道系障害、腎障害、溶血性副作用、呼吸器障害、皮膚障害などとして非特異的に出現する。このうち、臨床検査は実施基準に従い実施するため、客観性が高く、薬剤による有害事象発生の検出に有用である。検査値変動は、臓器特異性がある検査項目であれば、変動を見た際に直ちに障害臓器を推測できる。しかし、たとえばビリルビンが高値の際には、肝障害、胆道障害、溶血、などと多様な病態の可能性が考慮される。ビリルビンが上昇する機序と、ビリルビンが代謝排泄されていく機構を理解することでビリルビンが高値となった原因を理論的に特定することができる。  すでに業務において、現場で検査値の増減と障害・傷害を結びつけることを日常としていても、前述のビリルビン高値のごとく、障害の特定のためには、それ以外の多くの検査データを統合的に解釈する必要がある。  本研修では、治験の現場で共通に測定する検査項目一つ一つについて、「検査項目の生体における機能」と「異常値発生の機構」の理解を目的とする。異常検査値を見た際、カルテ閲覧時のポイントや臨床医とのディスカッションに正確さが増すと考えられる。

  1. 序 薬剤の副作用による症例検討
  2. 検査伝票のどの項目に注目すべきか:
    • 臨床医が先ずチェックしている項目は。
    • 検査の過程で生じる異常値は。なかでも偽血小板減少とは何か。
  3. 肝臓ダメージ・障害で変動する臨床検査項目の理解
    • 肝臓は、エネルギー代謝、蛋白・脂質合成、解毒、網内系機能を果たしている。
      機能に異常を来たした際の検査値変動は何か。ダメージでの検査値変動は何か。
    • 肝臓の解剖と機能の整理
    • 肝細胞ダメージの指標と肝機能障害の指標
    • AST, ALT, LDHの作用点はどこか。
    • ヘモグロビン⇒ビリルビン⇒ウロビリノゲン⇒ウロビリン体への代謝
    • アミノ酸⇒アンモニア⇒尿素への代謝
  4. 腎ダメージ/障害
    • 腎臓は、排泄器官であるとともに、酸塩基平衡制御、電解質制御を行っている。
      機能異常の臨床検査値変動は何か。
    • BUNの軽度上昇は、腎機能障害以外でも頻繁に認められるが、上昇機構に何があるか。
      • BUN高値とクレアチニン高値の意味
      • 腎ダメージを早期に検出するための検査には何があるか
        • 尿タンパク
        • β2ミクログロブリン
    • 体液pH、重炭酸濃度、アニオンギャップの解釈
  5. 血液細胞に対する影響
    • 溶血や、造血障害が有害事象として出現することがある。
      また、アレルギー性の応答として、好酸球増加も特徴的である。
    • 溶血時の検査値異常
      • 赤血球恒数 (MCV, MCH, MCHC) 、網赤血球数の考え方
    • 薬物による溶血の機序。クームステスト (抗グロブリン試験) でわかること

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん
140-0011 東京都 品川区 東大井5丁目18-1
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