1. ポリマー混練時の樹脂の伝熱メカニズム
(2016年4月28日 10:00〜11:30)
樹脂の溶融・混練メカニズムを扱うための基礎として,もう少し広い視点から材料の溶融 (融解) を引き起こす熱の伝わり方 (伝熱のメカニズム) を取り上げる.材料の溶融という事象を熱エネルギー的な見地から捉え,その後に伝熱学的な視点から材料内での熱伝わり方を数式的に記述する.また,プロセスモニタとして欠かせない温度測定についても触れる。
- 熱と温度の関係
- エネルギーレベル指標としての温度
- 熱エネルギーのバランス
- 伝熱現象として扱う
- 三つの伝熱形態
- 熱流束の概念と利用
- 定常と非定常
- 樹脂材料の溶融
- 熱物性値について
- 移動現象を記述する
- 連続の式
- エネルギー方程式
- Navier – Stokes方程式
- 可塑化プロセスにおける伝熱
- 温度測定
- 温度測定法
- 知っていると便利な温度マメ知識
2. 溶融混練における樹脂の粘度・温度の影響
(2016年4月28日 12:10〜13:40)
高分子溶融体の混練・分散に対して溶融体の粘度がどのような役割を及ぼすのか、 基礎的な内容と研究事例を交えながら紹介します。
- はじめに
- 高分子流体の粘度の基礎論
- せん断流れとせん断粘度
- 伸長流れと伸長粘度
- 粘度の温度・分子量依存性
- 粘性発熱
- 液滴破断と粘度との関わり
- 混合の基礎論
- Grace の実験と課題
- 事例に見る溶融混練での樹脂の粘度・温度の影響
- Extensional Flow Mixer (EFM)
- ポリマー/クレー系複合体の溶融混練
- ポリマー/炭素繊維系複合体の溶融混練
3. 二軸押出機のスクリューエレメントの構造と機能
(2016年4月28日 13:50〜15:20)
- 二軸押出機の押し出し混練ゾーン
- 各ゾーンの主な作用
- 同方向回転2軸押出機の機能
- 2軸押出機の適用分野、優れた性能
- 各ゾーンで使用されるスクリューエレメント
- 混練ゾーン
- スクリュ内部の状態
- 溶融ゾーンに使用されるエレメント
- 排気ゾーンに使用されるエレメント
- 混合ゾーンに使用されるエレメント
- フィード制限をトルク制限に変える
- 溶融・混練性能の強化
- 分散と分配作用
- せん断流動と伸張流動:押出機内部の動き
- クリアランスとピークせん断速度
- 噛合部分におけるピークせん断
- スクリュー間クリアランス
- 狭いスクリュー間のクリアランス
- せん断速度の平均化
- 特殊エレメントの紹介
- フィードネックの改善例
- 長繊維の混練例
- ピークせん断除去による熱発生抑制の例
- 高吐出と短滞留時間への挑戦
4. 二軸押出機におけるスクリュ構成の最適化と混練条件の設定
(2016年4月28日 15:30〜17:00)
- 二軸押出機とは
- 押出機の種類
- シリンダーブロック及びスクリュー
- 各使用例に応じたスクリューの種類と各種メリット・デメリット
- 粘度に応じたスクリュ形状
- 低粘度溶融樹脂
- 中粘度溶融樹脂
- 高粘度溶融樹脂
- 粘度の違う樹脂を混ぜる方法
- 二軸押出機内の樹脂挙動を考える
- シリンダー内の樹脂の充満率とパスタイム
- スクリュ形状・回転数・トルクの関係
- スクリュ形状・回転数・パスタイムの関係
- ミキシングスクリューブロックの種類と溶融樹脂の充満率
- 写真で見る可視化シリンダー内の樹脂挙動
- 高速回転における運転諸条件の例
- フィラー添加量に対する樹脂温度の変化と低温混練技術
- 超高速型における実施例と最適混練条件「温度・操作・スクリュ形状」
- 樹脂を低温で混練するためには
- エマルションの例 (粒度分布データをふまえる)
- 高フィラー混練の例 (形状組み合わせと温度分布)
- 画像による高粘度・低粘度材料の後工程での考察
- 中粘度溶融樹脂の後工程の例 (ストランドカットなど)
- 低粘度溶融樹脂の後工程の例 (アンダーウオータカットなど)
- 高粘度溶融樹脂の後工程の例 (ホットカットなど)
- 特殊例 (ミストカットなど)