製造販売業者や製造業者が、医薬品を製造するために購入する原料の安定した品質確保を図るため、重要な原料、中間体、中間製品、資材、製造設備・機器を納入する製造業者 (サプライヤー) の適格性を、常時に評価・管理することが必要である。
2013年8月の国内GMP施行通知の一部改正においても、PIC/S GMPを踏まえたサプライヤー管理が、医薬品の品質保証をするうえでの、重要事項として法的にも明確化された。
サプライヤー管理の対象は、原則として承認・許可申請中のものも含め、既承認医薬品に係る他社製造業者の製造所とする。原料供給業者の対象としては、以下のものがあげられる。
- 製剤・包装工程での製造に使用される原料・資材製造業者
- 原料:有効成分 (API) 、その他必要な副原料
- 資材:容器、内袋、表示資材
- 原薬出発原料製造業者
- 受託製造業者 (以下、「受託者」という)
(原薬中間体、製剤・包装)
- 原薬工程で用いる試薬・溶媒の製造業者
- 医薬品製造に関連する設備・機器類の製造業者等
- コンピュータシステムサプライヤー
- 微生物試験の培地製造業者
最新の国内GMPやPIC/S GMPに対応したサプラーヤー管理としては、これまでの国内GMPの関連規則に基づき行われて来たものに加え、6つのギャップ即ち、①品質リスクマネジメント、②製品品質の照査、③参考品等の保管、④安性モニタリング、⑤原材料等の供給者管理、⑥バリデーションを前提とし、原材料メーカーの実情に対応して夫々これらを相互に組み合わせることになる。
GMP適用外の国内原材料メーカーの管理は、レギュレーションとのギャップなどからも医薬品製造販売業者や製造業者にとって大変難しい面があるが、原材料メーカーの実態に合わせ具体的管理手法や課題解決に向けて講演する。
- サプライヤー管理における供給業者の選定評価と躯体的契約取り決めのポイント
- はじめに
- 背景、PIC/S、国内GMP対応したサプライヤー (供給業者) 管理
- サプライヤーの選定・評価
- 製造業者及び原材料供給業者との品質・変更連絡等の取り決めのポイント
- GDP要請の意義
- グローバルGMP基準を踏まえた、受け入れ試験実施およびサンプリングの手法
- サプライヤー管理における受け入れ試験およびサンプリング
- 原則および採取する職員
- 出発原料のサンプリング
- サプラアイヤーオーディットのポイント
- オーディット
- サプライヤーオーディットとは (レギュレーションと監査システム)
- 委託製造先 (外部監査) とサプライヤーオーディットについての違い
- 供給業者選定におけるオーディットの位置と比重
- 供給業者に求められる品質保証
- オーディットのタイミング
- 委託・納入先との適正な品質保証システムとは
(供給業者との契約、及び第三者オーディット体制も含めて)
- オーディットの手順
- オーディットの手順の実際
- 新規サプライヤー、認定評価済サプライヤー
- 計画、準備資料、事前訪問、ラップアップミーティング、フォローアップ 等
- 評価方法
- オーディットによる評価法と重要ポイント
- 重要ポイント (技術移管、遵守事項)
- 監査における留意点と監査項目
- チェックリストによる詳細確認事項の具体例
- 海外供給業者へのオーディット手順と評価法
(包装、製剤、API、原料中間体、資材容被製造施設、及び試験施設に対するオーディットの違いと、実施例)
- リスクに応じた原料等のオーディットシステム、指摘事例及び今後の課題